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エレキギター購入前に絶対確認!スペックを読む〜電装系・ハードウェア編〜


購入するギターに求める条件は人それぞれですが、カタログからしっかりスペックを読み取ることで、後悔の少ない楽器選びが出来るようになります。

今回は、電装パーツ&ハードウェア編として、エレキギター内部の電装パーツと、ブリッジなどの金属パーツについてのカタログスペックを読み取っていきます。



エレキギターのスペック

ボディ&ネック編に比べると難しいことが書かれているようですが、実はそんなに奥は深くありません。安心してください。

ボディ&ネック編は以下のリンクからどうぞ

 

メーカーによって公開している情報が少ない場合も多いのですが、一般的なスペックシートは概ね以下の項目により構成されています。

ELECTRONICSのスペック

assy

ギターに組み込まれているスイッチ、ピックアップなどの電子パーツに関することが表記されている項目です。

ELECTRONICSとひとくくりにせず、PICKUP(ピックアップ)とASSEMBLY(=ASSY、アッセンブリー=電子パーツ)に分けて記載しているメーカーもあります。

ピックアップ配列以外は後からいくらでも変更可能なため、個人的には最も軽視している項目です。

Pickup Configuration

ピックアップの配列について記載されている項目です。例えば、3シングルであればSSSやS-S-Sと表記されます。

フロントピックアップとセンターピックアップがシングルコイル、リアピックアップがハムバッカーの場合、日本ではSSHと呼称しますが、海外メーカーのカタログなどではブリッジよりからHSSと表記されるのが一般的です。

その他、機種によってHH(2H)、HSHなどが一般的なところです。

ピックアップがピックガードにマウントされているタイプのエレキギターでは、キャビティの形状によってはピックガードの加工・交換だけで簡単に変更可能ですが、ダイレクトマウントや、ボディに直接エスカッションを取り付けるタイプのギターの場合、ここを変更するには木工が必要となります。

『ハーフトーンが出したいから3ピックアップがよい』とか、『リアはハムバッカーの太さが欲しいけど、フロントはシングルコイルの繊細さが欲しい』などと、あらかじめ出したいサウンドを決めてから選びにかかるのが間違いがない方法です。

Bridge Pickup

リアピックアップとも呼びますが、これは完全な和製英語です。英文表記だとBridge Pickup(ブリッジピックアップ)となります。

自社製のオリジナルピックアップが乗っているギターや、Seymour Duncan社製やDimarzio社製などのリプレイスメントピックアップを初めから搭載しているギターに分けられます。

FenderやGibsonなどの一部有名メーカーを除いて、メーカー製のピックアップは単体で販売していないことも珍しくありません。そうなると、ピックアップのキャラクターは弾いて見るまでわからないことになります。

カタログ内に自社製ピックアップのトーンチャートや特徴などが記載されている場合もありますが、当然同メーカー内の評価であり、カタログに欠点・弱点は記載して来ないことが想定されます。

また、比較的安価な価格帯のコストパフォーマンスモデルに高級機のピックアップを乗せたことを売りにしているエレキギターもありますが、あくまでもピックアップは交換可能なパーツです。

交換可能なパーツが高級品だと、当然それらは価格に思いっきり跳ね返ってきます。あとから交換不可能な木材パーツ部分は変わらないので、ギターそのものが持つポテンシャル的な部分を優先するなら、これらのギターは選択肢から外すべきです。アーティストモデルの廉価版にありがちな仕様ですね。

Middle Pickup

和製英語的にはセンターピックアップなんて呼び方をします。

当然2ピックアップのギターにはこの項目はありません。注意点もBridge Pickupと同様です。

Neck Pickup

和製英語でフロントピックアップですね。注意点は前2項と同様です。

フロントピックアップがシングルコイルかハムバッカーかの違いでサウンドキャラクターや対応可能なサウンドが異なるので、出したいサウンドのイメージを明確に持って選ぶのがよいでしょう。

Switching

ピックアップセレクターでの切り替えについて記載されている項目です。5 Switching Bladeとか書いてあってまるで刃物のようです。

5Wayセレクターの場合、1がBridge側ピックアップ、5がNeck側ピックアップとなるのが一般的です。数字はともあれ、見た目の位置と対応しているはずです。

見た目は5Wayと変わらなくても、ビンテージテイストを売りにしていたり、ビンテージリイシューもののすとらときゃすたーには3Wayセレクターを搭載していて、ハーフトーンを出すのに苦労するものもあるため注意が必要です。

レスポールタイプでは、RHYTHMがNeck側、TREBLEがBridge側をさします。

FenderのS-1スイッチ搭載機や、Ibanezの2ピックアップのシリーズ、ESPの一部のシリーズなどでは通常のセレクターと異なり、スイッチングによるオートコイルタップやフロント+リア、フロントハムバッカーのパラレル(並列)/シリーズ(直列)切り替えなどを行うことが可能です。この点などもしっかりと抑えておきましょう。

Controls

エレキギターの表面に出ているコントロールツマミ類に関する項目です。

簡単に1V1T(1マスターボリューム、1マスタートーン)のものや、ストラトキャスターのように1V2T(1マスターボリューム、フロントトーン、センター&リアトーン)のもの、レスポールタイプのように2V2T(フロントボリューム&トーン、リアボリューム&トーン)となっているものなどなかなかに個性的です。

ビンテージタイプのストラトキャスターは基本的にリアピックアップにトーン回路が取り付けられていません。リイシューモデルなどでは利便性のためにセンターと同じトーン回路と接続されていますが、当時の配線を再現したモデルでは搭載されていないので、ここをしっかり確認しましょう。

ここも個人レベルで簡単に変更可能なのですが、取り付けられているポットの個数は気にしておきましょう。ピックガードはともかく、本体に直接穴を開けるのはほとんどの場合、工房に依頼しなくてはならない作業となる点に注意が必要です。

Special Controls

メーカーによっては前述のControlsの項目の一つだったりします。コイルタップだったり、バイパススイッチだったり、ピックアップセレクターの配線切り替えだったりといった機能がここに記載されています。

スペックを読み解く上での注意点は、メーカー独自の言い回しで記載されていることが多いという点です。

例として、Schecter社のEXCEEDシリーズでは、Split Tone Controlという機能が搭載されています。これは、マスタートーンコントロールのポットがPush-Pullタイプのスイッチポットになっていて、Pull状態にすることで通常のトーンコントロール(低音を通す)とは異なり、ハイパストーン(高音を通す)として動作するようになる、というものです。しかし、Split Tone Controlという名称だけではどういった機能かわからないという問題点があります。

ちなみに、Schecter社のカタログ、ホームページでは同ページにわかりやすく図解付きで機能が説明されているため、そちらを見れば機能については理解することが可能な親切設計になっていることを合わせてお伝えいたします。



HARDWAREのスペック

Floyd1

ここからは、ハードウェアつまり電子パーツ以外の金属パーツのスペックを読み解いていきます。

こちらに関しても、後から変更可能な項目が多いですが、一部変更が非常に困難な部分もあります。そのあたりに注意して読み進めていきましょう。

Bridge

エレキギターに搭載されているブリッジについての項目です。6-Saddle Synchronized TremoloやTuneーO-Matic with Stop Tall Piece、FloydRoseなどと記載されています。

同タイプのブリッジ同士は比較的簡単に交換が可能ですが、ブリッジ形状を変更するためには、工房レベルの大規模な木工が必要となります。ここについても、ある程度サウンドやルックスの理想形を先に持ってから選択しましょう。

一般的なブリッジごとの特徴は、フィクスドブリッジはボディに振動が伝わりやすく、ロングサスティーンで太いサウンド、シンクロナイズドトレモロは裏バネによる独特のリバーブ感とアームを使用可能、チューンオーマチックはボディの鳴りを調整可能、フロイドローズは本体重量があり、若干硬めのサウンドとチューニングの安定感、といったところでしょう。

Tuning Machines

チューニングマシンというとあまり耳馴染みがないですが、ざっくりとペグのことです。ペグというと回転させるところのみになってしまうので本来はチューニングマシンやチューナーという表現が正しいです。また、ペグのことを英文だとMachine Headと表します。

この項目に関しては、ペグの形状まではスペックで表しきれない部分もあるので、スペックの記載よりも実際の画像や実物を見た方がわかりやすいと思います。ただ、弦のロック機構を持っているかどうかは必ず確認しておきましょう。

また、この欄にGOTOH社やShaller社の型番が直接記載されているものもあります。

Neck Plate

ボルトオンネックをボディに固定する際に使用するネックプレートについて記載される項目です。そのため、スルーネックやセットネックには存在しない項目となります。また、ボルトオンでもネックプレートを介さないモデルもあります。

4-bolt symmetricalなどと記載されていますが、ここに関しても文字よりも画像、実物を確認しましょう。

演奏性向上のためにジョイント部分を斜めに切り落としていたり、ネック接合部分が薄くなっていたり、角度がついていたりといった部分も画像や実物でないと確認できない部分です。

Control Knobs / Switch Tip

ボリュームやトーンなどのコントロールノブやレバーセレクターの先端についての項目です。

ごく簡単に一瞬で変更可能なので特に気にする必要もないと思います。

Pickguard

ピックガードが搭載されているギターにはこの項目がある場合もあります。

ストラトなどの3プライのピックガードの場合、経年変化でミント色に変色してくるのですが、初めから変色させて売られていたりもします。ディスプレイ越しだと実際の色味と違って見えるので、地味に助かる項目です。

ちなみにストラトキャスターは製造時期によってピックガードを止めるネジの点数と位置が異なります。リプレイスメントピックガードを選ぶときには今使っているギターのピックガードのネジの点数と位置に注意しましょう。ちなみに、現行が11点止め、ビンテージ系の一部が8点止めです。

Hardware Finish

金属パーツの色についての項目です。Black、Chrome、Nickel、Goldなどがあります。

当たり前ですが、通常1本のエレキギターの金属パーツの色は統一されています。

注意すべき点は、GoldやBlackのパーツはサビなどの経年変化で色がハゲてくるといった点です。メッキ、塗装の下地が錆びてくると、表面がザラザラになってきて、最終的に剥がれ落ちてきます。味とするのも良いですが、特にGoldは悲惨な見た目になりがちです。

また、大きく分けると同じ銀色、とはいってもChromeとNickelではだいぶ色味が異なります。パーツ交換の際などには気をつけましょう。

 

その他のスペック

ここからは、上記に分類されないその他のスペックについて確認していきます。

ここをしっかり読んでおかないと、意外な落とし穴が待ち受けていたりするので、要注意です。

Strings

工場出荷時のゲージが記されている項目です。

ロングスケールのギターの場合、ほとんどのモデルで0.09-0.42の比較的細めのゲージがセットされています。当然、エレキギター本体の調整もこのゲージに合わせたものになっています。

トレモロ搭載ギターの場合、バネの張力で弦と釣り合いを取っているのですが、弦のゲージが変わるとこの均衡が崩れます。ここについてはゲージを変更した際の調整もそんなに難しいことではないので、大きな問題にはなりません。

むしろ大きな問題になるのは、弦のゲージが出荷ゲージから大きく変わると弦がナットの溝に落ち切らず、ナットと弦が密着しなくなることにあります。この場合、ナット溝の切り直しが必要になります。出荷段階では若干の遊びを持ってナット溝が切られている場合が多く、0.10-0.46位までのゲージであれば問題ないことが多いです。

また、ネックも弦の張力とトラスロッドの張力で釣り合いを取っています。出荷ゲージよりも太いゲージに変更してしばらくするとネックが順反り方向に反ってくるはずです。この場合は適宜ネック調整をしましょう。

ネック・トラスロッドの調整に関しては、以下の記事を参考にしてみてください。

 

Case

本体付属のケースについて記載されている項目です。

高級機種ではハードケース、ミドルクラス・コストパフォーマンスモデルではギグケースやソフトケースが付属することが多いです。ちなみに、Fender系ハードケースの開け方は『鍵穴の出っ張りを外側(取手の逆方向)に向かってスライド』です。言われなきゃ気づかないですよね。実際、何度か聞かれたことがあります。

通信販売や、ネットショップで購入する際には、このケースが大変重要になります。楽器メーカーさんや楽器店さんは楽器の取り扱いのプロフェッショナルなので、ソフトケースの楽器でもヘッドやケース内に緩衝材を多めに入れてくれる、外側のダンボールにこれでもか、って位『こわれもの・取り扱い注意』のお札を貼ってくれるなどの対策をしっかり取ってくださいます。

しかし、運送会社の一配達員の荷物の取り扱いや、トラックの荷台の中での配置までは監視することができません。そのため、ソフトケースやギグケースでの運送中の事故という話を耳にすることもあります。お断りしておきますが、決して運送業者の方を責めているわけではありません。

理想としては楽器店さんに直接足を運ぶことですが、ご自宅の地域の関係で難しい場合もあるかと思います。そういった場合は、可能な限りハードケースが付属する楽器を選ぶのがおすすめです。

なお、通常購入時のケースにはトラスロッド調整用やロックナット、フロイドローズ用の6角レンチや、トレモロアーム、取扱説明書をはじめ、メーカーによっては楽器用クロス、シールド・ストラップなどが入っています。

Price

値段です。エレキギターは決して安い買い物ではありません。特に高級機やビンテージ機種はお高いです。個人的にはレリック系のギターの価格には全く納得がいきません。なぜボロくすると値段があがるのでしょうか。

なお、ここに記載されている金額はメーカーが設定した定価で、楽器店さんなどでの実売価格とは若干の開きがあります。気に入ったモデルを見つけたら楽器店さんのホームページなどで実売価格を調べてみましょう。ちなみに、海外メーカーの楽器だと代理店のマージンが入るので、ホームページの価格を直接¥に直した価格よりも高い場合がほとんどです。中にはびっくりするくらい跳ね上がるメーカーもあります。

また、楽器店さんではカタログ落ちのモデルなどを割引価格で特売したりすることがあります。こういったタイミングは高級機種入手のチャンスになります。



☆まとめ☆

  • 電装系・ハードウェアは後から交換できる!
  • ピックアップだけやたらと豪華な機種に騙されるな!
  • 通販で購入する場合はケースに注目!

 

最後に

エレキギターのカタログから電装系とハードウェアの必要な情報を読み解く方法についてご紹介してきました。

ボディ&ネック編でもなんども言っていますが、ボディ&ネック→交換不可、電装・ハードウェア→交換可です。後から自分好みのカスタマイズを加えるにしても元となるボティとネックが弱ければ良い結果は得づらくなります。

各メーカーのフラグシップモデルなどの高級機種では、厳選された木材とハードウェアが丁寧に加工され、組み込まれていて、その鳴りを受け止める電装系とのバランスもしっかりと取れています。エントリーモデルの精度も年々高まっていますが、やはり根本的な差があるように感じます。

 


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ZAL

 

 

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ZALのプロフィール

 名前:ZAL(ざると読みます)


お仕事:フリーランス音響エンジニア、
    作編曲家、ギタリスト、たまにDJ
    基本的に音楽関係なんでも屋さん


 趣味:最近もゲーム


いままで個人ブログの経験はなかったのですが、
プロの音響エンジニアならではの視点で、
解説やレビューをしていきます。


エレキギター内部の配線やパーツにも明るく、
内部配線やパーツの選定によって狙ったサウンドを
作ることも得意としています。


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