サンプル音源を読み込んで使用するNative InstrumentsのKONTAKT、サードパーティーからの対応音源も多数出揃っていて、使用されている方も多いのではないかと思います。
数あるサンプル音源の中でも高品位なサンプルはメモリの使用量が多く、同時に多数を使用できないという悩みがあります。
今回はそんな悩みを解消するPurge機能についてご紹介していきます。
目次
サンプルとメモリ
KONTAKTに音源をロードすると、その音源で使用するすべてのサンプルをあらかじめPCのメモリに読み込みます。
このおかげで、MIDIノートがKONTAKTに入ってきた瞬間にサンプルを再生し、音を鳴らすことが可能になっています。ここでいう、すべてのサンプルには、曲中で使用しないノート(音程)やベロシティ、CCを使用した際のアーティキュレーションなどの音色も含みます。
そのため、3〜4個の音源を読み込むと、結構な量のメモリを占有してしまい、DAW自体の動作に支障をきたす恐れがあります。
Purgeとは
Purgeとは、曲中で実際に使用する分のサンプルのみをメモリ内に残し、不使用サンプルをメモリから削除する機能です。Purgeを使用することで使用メモリを抑えることができ、より多くのインストゥルメントを使用したり、DAWに安定した動作をさせることができます。
私は、KONTAKTにインストゥルメントをロードしたら、まずPurgeを行い、最小限のメモリ使用で作業をしています。
Purgeを行う方法
ここからは実際にPurgeを行う際の方法を順を追ってみていきましょう。
1.KONTAKTの使用メモリの総量を確認する
KONTAKTの最上部右側のところに総使用メモリが表示されています。
ドラム音源、ベース音源なども使用していると、ここの表示がかなり多い数字になっているでしょう。
2.Purgeを行うインストゥルメントを決める
ストリングス音源はトレモロやピチカートなどアーティキュレーションが豊富で、サンプル数が多く、メモリの使用量が多めであることが多いです。
今回は、Native Instruments社のストリングス音源、Session Strings PROを例に取って進めていきます。
3.Purgeをクリックする
該当のインストゥルメントのウィンドウからPurgeを選択し、クリックします。
4.Purge all samplesを選択する
Purgeをクリックすると展開されるプルダウンメニューからPurge all samplesをクリックします。
Perge all samplesを実行した直後には、このようにメモリ使用量が0になっています。この状態では、MIDIノートが入力されるたびに、ライブラリHDDにアクセスしなくては音が出ない状況です。
5.DAWで曲を1曲通して再生する
曲を通して再生することで、曲中で使用されているMIDIノート、ベロシティ、アーティキュレーションに必要なサンプルのみがKONTAKTに読み込まれます。
元々400MB以上使用していたメモリが30MB以下に収まりました。
一度ににすべてのインストゥルメントのサンプルをPurgeすると、この再生段階でディスクアクセスが多くなり、正常に再生ができない場合があるので、1つずつ行うのが良いと思います。
3行でまとめると
- メモリ負荷が気になったらまずPurge
- オーケストラ系の音源はサンプルが多い
- Purge後には一旦再生してサンプルを再ロード
最後に
Native Instruments社のKOMPLETEは、今回ご紹介したKONTAKT対応音源や、その他インストゥルメントにコンプやリバーブ、ギターアンプシミュレーターまでついて、かなりボリュームのあるバンドルです。
Native Instruments / KOMPLETE 11
私もKOMPLETE8の頃からアップデートして使用しています。DAW付属の音源で満足できなくなってきたら、まずはコレって位おすすめです。
KOMPLETEには優秀なエフェクトも充実しています。KOMPLETEにバンドルされているエフェクトについては下記記事をご参照ください。
MIDIノートを配置していく前の段階でPurgeを行っておくと、初回の発音はやや遅れるものの、必要最小限のサンプルのみを読み込みながら作業することができます。とくに、ベロシティを書く前の段階ではかなりコンパクトになるのでおすすめです。最終的にオーディオ化すれば解放されるメモリなのですが、途中段階をコンパクトにまとめる方法のご紹介でした。
プラグインの中でも重い部類にはいる音源を少しでも軽く使用するPurge、KONTAKTを使用するなら必須のテクニックです。
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