sonnox2

EQ

 Last Update : 2019.01.7

MIXに役立つこと間違いなし!カットEQの『クセ』を徹底比較!


以前の記事で、カット用のEQについてご紹介しました。

個人的には、カットにはデジタル系の癖のないEQを使用するのがベターだと考えているのですが、『癖がない』ってどういうことなんだろう、と考えて、簡単な検証を行ってみました。

検証内容は、5種類のEQを使用して同一のフィルターカーブでカットEQを行い、RTAで測定した結果を視覚的に比べて見る、という聴覚に全く頼らないものです。

実際に使用するRTAでも結果は変わってくると思うのですが、今回は『メーターの追従速度が遅くて画像が取りやすい』といった一点でfabfilter Pro-Q2をアナライザーがわりに使用しています。



検証方法

一定レベルのホワイトノイズをProTools標準のSignal Generatorを使用して出力し、オーディオトラックに録音。

録音したオーディオトラックに各EQをインサートし、カットEQを設定。

マスタートラックにfabfilter Pro-Q2をインサートし、RTAにて測定。

という簡易的かつ単純なものです。

ちなみに可聴帯域外のグラフがせっかく表示できるので、96kHzサンプリングで測定しています。

whitenoise

ちなみに元のホワイトノイズのグラフがこれです。

ここに、以下の4つのEQ、フィルターを設定します。

  • HPF 100Hz 18dB/Oct
  • LPF 10kHz 18dB/Oct
  • 1kHz -18dB Q=10
  • 4kHz -18dB Q=2

実際に使用する場合はこんなに極端なEQは設定しないと思われるので、実使用上の評価は下せませんが、このくらい極端にEQしないとグラフに現れなかったので、止むを得ずこんな数値になっております。ご了承ください。

Pro-Q2のRTAメーターは以下の画像を参考に読んでください。

meter

では、実際に各EQを比較して行きます。

 

Avid EQ III

eq32

ProToolsユーザーのド定番、標準のEQ IIIです。標準EQだからと言って手抜きもなく、正確にカットしてくれる優秀なEQですね。

こちらの画像の設定でRTAをかけたものが以下の画像です。

EQ3RTA

1つ目なので、比較もなにもあったものではないのですが、1kHzのカットはかなり正確なQでカットできている印象ですが18dBには切り足りていないですね、誤差もあるとは思いますが。

4kHzのカットとLPFが相互干渉しているのか、4kHz付近の山が崩れてしまっています。LPFも18dB/Octとして作用していない印象を受けます。

HPF/LPFはフィルターのかかりが結構なだらかなのかな、という印象を受けます。

 

Sonnox Oxford EQ

sonnox2

個人的になんにでも使うプラグイン代表のOxford EQです。UIが改善されて、高解像度ディスプレイでも見やすくなったのが嬉しい限りです。

余談ですが、SonnoxのEQでは、Qは左に回すと狭くなります。以前のYAMAHAのミキサーなんかも左にいくほどQが狭くなる仕様です。たまに、現行のYAMAHAのようにQの作用が逆のミキサーを使用すると戸惑ってしまったりします。

さて、上記画像でのRTA結果がこちらです。

sonnox

1kHzあたりのQカーブが崩れています。逆に4kHz付近は綺麗なQでカットできている印象です。

LPFとの干渉が最小限に抑えられている、と考えて良さそうです。

 

Waves Q10

q102

カットEQのロングセラーモデルです。Q=100までの正確なカット・ブーストが売りのEQですね。

細かい帯域内で、細めのQで数点カットしても、破綻しないEQという印象があるのですが、実際の測定結果を見て行きましょう。

Q10

HPF/LPFのスロープが設定出来なかったのですが、グラフを見る限り12dB/Octのようです。

表示よりもQが広いような印象を受けました。1kHzの溝の幅もそうですが、4kHz付近は結構広めに削れていますね。

また、GAINも1kHzは少し切れすぎで、4kHzは少し切れ足りないかな、という結果でした。カーブを見ていると、4kHzのQ=2が1kHzに干渉しすぎている気がします。そのわりには1kHzの溝の高音域側のカーブが綺麗すぎるのが悩ましいところです。

 

Fabfilter Pro-Q2

proq22

近年流行りのPro-Q2です。多機能な上にUIもわかりやすく、徐々に使用頻度が高まっています。

測定に使用しているのもPro-Q2なので、今回の中では有利かな、という感じですが、測定結果は以下の通りです。

proQ2

まず、LPFの効き始めが非常に鋭角ですね。ここまでの他のEQでは、10kHzの段階からかなり落ちていましたが、8~9kHz付近への影響が非常に少ないLPFです。100Hz付近もよく見ると非常に鋭角的なカーブでフィルターがかかっています。

カットEQを見ていくと、ちょっとGAIN的に切れすぎな印象もうけますが、4kHz付近がQ=2に近い綺麗なカーブでカットできています、。逆に1kHz付近はカーブは綺麗なものの、少し切り足りない印象です。


McDSP FilterBank

mcdsp2

FilterBankにはE606というコンフィギュレーションがあるのですが、Q幅があまり狭くできないので、F202とP606を組み合わせて使用しています。

また、P606のGAIN値の加減が-15dBだったので、-15dBで測定しています。

F202は結構好きでガンガン使用しているEQなので、測定結果が楽しみです。

mcdsp

F202のフィルターカーブ、さすがの一言ですね、今回はPEAKを設定せずにかなりなだらかに作用させましたが、概ねF202のUI通りのカーブで落ち込んでいっています。

P606でカットした付近も概ね良好ですが、1kHzの低域側の山があまり綺麗に出ていないのが気になります。どちらかというと広めのQでカットするのに向いたEQと言うことができるのではないでしょうか。

 

☆まとめ☆

  • カットには癖のないEQを!
  • 試して見たら意外と個性があった!
  • 実際には耳を使ってMIXを!

 

最後に

測定も簡易的なもので、よく使うEQプラグインを比較して見ました。

どれを使うか、感覚に頼っていたのですが、こうして並べてみると意外と違うものですね、今回の中ではPro-Q2とFilterBankが綺麗に切れた印象でしたが、どれも使いやすいEQで大変オススメです。

EQ選定に迷っている方は普段使いのEQを測定してみたりするのも面白いかも知れません。活かせそうなことがあれば参考にしてみてください。

 


当ブログのFacebookページです。
少しでも皆様のお役に立てたら「いいね!」していただけると歓喜します。

ZAL



ピックアップ記事

  1. 初心者も必見!上級者でも間違えているDAWでの基本的なMIX手順
  2. アナログ感?倍音?歪み?プラグインで得られるアナログ感の正体

関連記事

  1. SSL4000G

    COMP

    今も昔もド定番!SSL4000シリーズプラグインで伝統のサウンドを

    アナログコンソールを使用したレコーディング、ミックスではDAW完結の完…

  2. API550

    EQ

    EQの応用編!ブーストEQのススメとアナログEQプラグイン

    以前、当ブログでEQの基本はカットEQであることをご紹介してきましたが…

  3. 6050

    COMP

    28種のモジュール!McDSP 6050 Ultimate Channel Stripレビュー

    今回ご紹介するのは、ランチボックスタイプのチャンネルストリッププラグイ…

  4. EQ

    現役エンジニアが教える!おすすめEQプラグイン5種

    今回は、使用頻度が高くおすすめできるEQプラグイン5つを、簡単な特徴や…

  5. Vo_Chain

    COMP

    自分の定番を探せ!プラグインの組み合わせでオリジナルのチェーンを作ろう

    「ボーカルに使うコンプはコレ、EQはコレ」とか、「ベーストラックには必…

  6. COMP

    実践編!サブミックスを作ってステムミックスにTRY

    以前の記事でステムミックスについて触れましたが、今回はDAW上で完結で…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ZALのプロフィール

 名前:ZAL(ざると読みます)


お仕事:フリーランス音響エンジニア、
    作編曲家、ギタリスト、たまにDJ
    基本的に音楽関係なんでも屋さん


 趣味:最近もゲーム


当ブログでは、プロの音響エンジニアならではの視点で
解説やレビューをしています。


ブログ開設から2年経ち、今では月間に5万PVほどの
アクセスを頂いております。


エレキギター内部の配線やパーツにも明るく、
内部配線やパーツの選定によって狙ったサウンドを
作ることも得意としています。


お問い合わせは
こちらのページからお願いいたします。


ブログのTwitterアカウント
Twitter=@ZZSTYLESOUND






こっちは個人のTwitterアカウントです。
Twitter=@ZAL_0Style







Facebookページはこちらです。

ZAL

現在Facebookアカウントにログインすることができない状況が続いています。
凍結の解除申請をしているので、Facebookページの更新は今しばらくお待ちください。

最近の記事

  1. WSSL
  2. API_console
  3. ALL
  4. gt1-2
  5. Kick_Sonnox_Comp

アーカイブ

PAGE TOP