ProTools

参考資料作成!ProToolsでプラグインのプリセットを作成する方法

ある日、お気に入りのアンプシミュレーターを使ってギターサウンドを作ったらすごく上手くいった。次の日に別のセッションを開いて、同じくお気に入りのアンプシミュレーターを使ったけど、前回上手くいったセッティングが思い出せない。アンプで歪ませてたのか、エフェクターで歪ませてたのかも思い出せない。

こんな経験あるんじゃないでしょうか。結局前のセッションを開いて、該当のプラグインを開いて、設定をメモって。アンプシミュレーターだと一回オーディオとして吐き出してトラックOFFにしてたりするから、ONにして………。

こんなとき、ProToolsではプラグインの設定をプリセットとして保存しておいて、後日ワンタッチで呼び出せるのをご存知ですか?

また、DAWを使用していて気になるプラグインを買い揃えていくと、プラグインメニューが縦長になって見づらくなってきます。特にバンドルを導入すると一気にプラグインの総数が増えてしまい、目的のプラグインを探すのに一苦労。

「あれっ、なんのプラグイン探してたんだっけ?」こんな経験、あるんじゃないでしょうか?

UAD-2プラグインなんて、ライセンス未所持のプラグインまで全て表示されてしまうんです。モノラルトラックだとご丁寧に(mono)と(mono/stereo)の2バージョンがしっかり表示されます。しかもプラグインの頭にUADと文字が入っているので、各種プラグインの[U]のあたりが大変なことになってしまうんです。

こんなとき、通常のプラグインメニューから外れた位置に表示させることができるのってご存知ですか?

今回は直接サウンドには関係ないのですが、ProToolsでの作業効率を上げるプラグイン周りのメニューについてご案内していきます。



目次

ProToolsでプラグインのプリセットを保存する方法

ProToolsでは、いつも使用するプラグインの設定を保存して、次回使用時に呼び出すことが可能です。ユーザープリセット機能を使えば、前回の上手くいったセッティングが行方不明になることはありません。

この項ではAvid EQ IIIを使用してProToolsでプラグインプリセットの保存、呼び出しを行う方法をご紹介いたします。

1.プラグインウィンドウの最上部のプリセット欄の▼をクリック

preseteq1

上手くいったセッティングのプラグインを開いて、プラグインウィンドウ上部にある[プリセット]のところの▼をクリックします。

WavesプラグインだとWavesのプリセットとしても保存可能なんですが、ProToolsのプリセットにはWavesのファクトリープリセットが含まれていないので、自分のオリジナルプリセットと混ざってしまう危険がなくなります。

2.表示されたプルダウンから[設定を保存]をクリック

preseteq2

この操作はプリセットを保存したいプラグインウィンドウ右上のターゲットマークがON(赤)になっている状態で、[⌘+Shift+S]でも行うことができます。

また、同じプラグイン同士での設定のコピー&ペーストもこのメニューから行うことができます。

3.保存ウィンドウにプリセットタイトルを入れて、[保存]をクリック

preseteq3
今回は、ボーカル用の上手くいったEQを保存するのを想定して進めていきます。

名前は[ex.Vocal_EQ]としてみました。実際にプリセットを作成するときは自分の名前を入れたりして、とにかく、ファクトリープリセットではないことを確実にわかるようにしておきましょう。

名前をつけたら忘れずに[保存]です。これでオリジナルのプリセットが保存されました。



ProToolsでプラグインのプリセットを呼び出す方法

では早速保存したプリセットを呼び出してみましょう。

別のセッションのボーカルトラックを開いて、ボーカルトラックにEQ IIIをインサートします。

1.プリセットメニューの▼をクリック

preseteq4

EQ IIIをインサートしたら、まず、プリセットメニューの▼をクリックします。

2.プルダウンからオリジナルのプリセットを選択

preseteq5

プリセット呼び出しメニューのプルダウンが開きました。

上から見ていくと、ファクトリープリセットがたくさん並んでいる一番下に[ex.Vocal_EQ]がありました。これをクリックしてみます。

preseteq6

前回上手くいったEQを瞬時に呼び出すことができました。

当然別のセッションなので、このまま使用するよりもここから調整していくような使い方をした方が懸命です。さらに上手くいったらプリセットメニューから[設定を別名で保存]すれば、別のプリセットとして保存できます。

また、目的の操作と近い名称のファクトリープリセットを読み込み、プリセットから調整をしていくことで、最適なセッティングに素早くたどり着けることも多いので、試してみるのもよいでしょう。

余談ですが、ファクトリープリセットは意外としっかり作ってあることが多いので、使い慣れないプラグインなどではファクトリープリセットを一通り使ってみると、そのプラグインの特性が理解できることがあります。

さらに便利に呼び出す方法

保存したプリセットをさらに手早く呼び出す方法もご紹介します。

プリセットを保存するときに使ったプリセットメニューから[設定の初期設定]→[プラグインの初期設定]と進み、[ユーザー設定]にチェックを入れておきます。[設定の初期設定]ってすごい日本語訳ですね。

続いて、同じくプリセットメニューから、[ユーザーデフォルトとして設定]をクリックします。

ちなみに、[設定の初期設定]→[プラグイン設定の保存先]では、プラグインのプリセットをコンピューターのライブラリに保存するか、セッションフォルダ内に保存するかを選択することができます。

スタジオから自宅に持ち帰って作業をする場合などはセッションに保存しておくことで、プリセットを持ち運べます。スタジオの共有コンピューターにプリセットを入れても自分では使えないので注意です。

逆に、セッションフォルダに保存していると、別のセッションで呼び出すことができません。ここにも注意が必要です。

preseteq7

[ユーザー設定]にチェックを入れて、[ユーザーデフォルトとして設定]をクリックしても、一見なにも変化はありません。

それでは、他のチャンネルなどのプラグインスロットにEQ IIIを新規にインサートしてみましょう。

preseteq6

なんと、起動時からプリセットが読み込まれた状態で立ち上がります。

普段使いのEQであれば、HPFだけ設定したものなどをユーザーデフォルトに設定しておくと、作業が飛躍的に早くなります。

プラグインをお気に入りに追加する方法

さて、ここからはもう一つのプラグイン問題、[膨大な数のプラグインに埋もれてしまって目的のプラグインが見つからない問題]についてです。

実は、この問題は非常にシンプルな操作で解決できます。

どこでも良いのでインサートスロットをクリックし、プラグインメニューを開いた状態でよく使うプラグインを[⌘+クリック]します。こちらも、一見なにも変化はありません。プラグインメニューが閉じるだけでスロットに読み込まれる訳でもありません。

結果は後ほど発表します(すみません、画像を別々に用意し忘れてしまいました)。

okiniirieq

お気に入りプラグインを一旦置いておいて、ProToolsの初期設定メニュー内[ミキシング]タブをみて見ます。

設定項目のなかに[デフォルトEQ]と[デフォルトダイナミクス]という文字があります。

eqdyna

それぞれ1つずつしか設定できないのですが、ここによく使うプラグインを設定しておくと、いちいちプラグインメニューから探さなくてもすぐに見つかる位置に表示されるのです。

実はこのお気に入りプラグインと、デフォルトEQ、デフォルトダイナミクスプラグインは、プラグインメニューの一番上層と、プルダウンの最上部に表示されるんです。

okiniirieq2

[⌘+クリック]でお気に入り登録したプラグインは、プラグインプルダウン階層の最上部に表示されます。便利に使える位置に表示はされるのですが、カテゴリ分けされず、アルファベット順に並んでしまうので、あまり登録数が多いとかえって探すのが大変になってしまいます。

そんなときは、最上部に表示されたプラグインを[⌘+クリック]でお気に入りを解除できるのでご安心ください。




3行でまとめると

  • 上手くいったらプリセットに保存して次回に生かす!
  • プリセットを呼び出してから必ず調整はする!
  • お気に入りとデフォルトで素早く呼び出す!

最後に

今回は直接サウンドには影響ない部分のProTools Tips記事でした。

ユーザー数のわりには閉鎖的なコミュニティなので、こういう細かい情報ってあんまり回ってこないんですよね。きっと私も知らない便利情報がいっぱいあるんだと思います。

本文中では「さらっ」と流してしまいましたが、プリセットをそのまま他のセッションに流用しても、大抵上手く行きません。

ファクトリープリセットでもそうですが、今の環境に合わせて『調整をする』必要があります。他のセッションで上手くいったことと同じことをするのではなく『参考にして調整をする』ことでプリセットは最大の効果を発揮します。

 


Facebookページやってます。
いいね!とかしていただけると歓喜します。



COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です