ボーカルマイクと一言で言っても、種類も様々ですが、今回は手持ちタイプのボーカルマイクの正しい使い方についての記事です。
マイクの持ち方、マイクと口との距離、取り扱い上の注意点などについて簡単に解説していきます。
マイクの特徴についてはこちらの記事も合わせてご覧ください。
また、DAWなどでの録音にも応用が効く項目もあるので、参考にしてみてください。
目次
ボーカルマイクの持ち方
ボーカルマイクをはじめとして、ライブ用に使うプロ仕様のマイクロフォンには、どの方向の音をよく拾うか、を表す指向性というものがあります。ボーカルマイクの場合は当然、声をよく拾って欲しいのでマイクロフォンは口に向けて持つ必要があります。
口に向けて、と言うよりも、口を開けた時に喉に向くように、持つのがよいでしょう。スタジオなどで声を出したまま、マイクをいろいろな角度で口に当てることで、なんとなく指向性というものがわかると思います。
マイクと口との距離
マイクがしっかりと声を拾える距離はそんなに長くありません。また、音は距離によって減衰してしまいます。結果として口から離して持つとマイクに入る音量が小さくなり、モニターなどのスピーカーからの音量を上げづらくなります。
感覚としては、ダイナミックマイクの場合、グリル(網)の部分と口との距離は1から5cm位になるようにしてみてください。極端な話、グリルに唇がくっついていてもサウンド面では問題ありません。
また、指向性ダイナミックマイクは近接効果により低域が大きく拾えます。多くのボーカル用マイクは、この効果を見越して低域が出づらくなっています。マイクを口から離して持つと近接効果が作用せず、低域が抜けたスカスカの声になってしまいます。
なお、拾えすぎた低域はPA側でHPF(ハイパスフィルター)を入れてカットしているので、気にする必要はありません。
マイクの取扱上の注意点
マイクも機械です、当然取扱説明書なるものがあるのですが、英文だったり、レンタルで使用する人が多いので使う人に読まれていないのが実情です。
ここからは使用する上での注意点について、ご紹介していきます。
地面に置かない
マイクを使用しないタイミングや、ステージからハケる際にマイクを床に置くアーティストが後を立ちません。
ボーカルマイクは口に当たることもあるほど口の近くに持つものです。床に置かれたものを口には付けたくないですよね。
当たり前ですが、マイクを投げない
マイク一本取っても機材です。マイク本体のみならず、マイクの音はスピーカーから出力されているため、スピーカーを破損させる原因にもなります。
どうしても投げたいなら、自前のマイクを持ち込んだ上で、ステージ中で投げるパートを事前に申請しましょう。それでも当日の音響担当がNGを出す場合がほとんどだと思いますが。
ケーブルを持って振り回すのも当然NGです。テープで止めてあっても、抜ける可能性があります。
理由も無くグリルを手で覆わない。
マイクのグリル(網)の部分を手で覆うと、マイクの指向特性、音響特性的にデメリットが多数あります。具体的には、せっかく単一指向のマイクが無指向に近い状態になり、周囲全体の音を広い始めます。また、周波数特性に大きく影響を与えるため、声の抜けが悪くなり、ハウリングを起こしやすくなります。
他にも、マイクの内部に湿気がたまりやすくなる上、ダイヤフラムも振動制御がうまく行か無くなり、壊れやすくなります。
しかしながら、ヒップホップやヴィジュアル系など、グリルを覆って持つのが当たり前になっているジャンルも多く見られます。
PA側も覆われるのを前提のEQをしていますが、場合によってはモニターがハウリングを起こしてしまい、客席には抜けない、歌詞の聞き取れない音をお届けすることになってしまうこともあることをご承知ください。
そして、上記のようなジャンルの音楽に使用しているボーカルマイクは他とは比べ物にならない位に寿命が短いです。自前を持ち込んでいただきたいところではありますね。
歌っていないときのマイク
歌っていない時もマイクは生きています。そのため。歌ってない時でもマイクの持ち方にもは注意が必要です。
振り付けなどで動いたときにに衣装と擦れる音や体に当たる音、手拍子の時にマイクを持った手ごとマイクを叩いた音、マイク台にマイクを置いたときの音、マイクスタンドに取り付けた時の音、以外と聞こえています。
ある程度は仕方がないと思うのですが、可能な限り不必要な音を出さない工夫をしましょう。これらが聞こえてしまうと、お客さんはすぐに醒めてしまいます。
スタンドに取り付けたマイクの扱い方
曲によってはマイクスタンドを使用して両手をフリーにして歌うこともあると思います。スタンド使用時には、手で持っているときよりもマイクと口の間隔が広くなってしまうことが多いです。また、両手がフリーだからと言って、マイクのヘッドを覆わないように注意しましょう。
レコーディング時にはダイナミックマイクでもスタンドに取り付け、口とマイクの間にポップガードを使用することも多いです。
必然的にマイクとの距離が開きますが、マイクとの距離をあまり意識しすぎずにリラックスして歌うのが成功の秘訣です。口よりもやや高い位置から、斜め下方向に向けてマイクを設置することが多いです。
歌詞をみながら録音する時には、あまり視線がそれない位置に譜面台を設置しましょう。
3行でまとめると
- マイクは丁寧に扱いましょう!
- 持つときは意味なくグリルを覆わないように!
- 歌ってないときにもマイクは生きている!
最後に
今回はボーカルマイクの扱い方についてでした。
意外と知らなかったり、持ち方については癖になっていることもあると思うので、
いろいろと確認してみてください。
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