COMP

さらに1歩上のMIXへ!ダイナミクス系エフェクトの仕組みと効果2

今回は、前回の記事に入れる予定だったけど、入りきらなかったダイナミクス系エフェクトについてご紹介いたします。

ご紹介するのは、リミッター、マルチバンドコンプレッサー、マルチバンドリミッター、トランジェント系エフェクトの4種類です。

それぞれサンプルサウンドを添えて、出来るだけわかりやすく解説していきます。

ちなみに、前回の記事には基本的なダイナミクス系エフェクトのコンプレッサー、ゲート/エキスパンダーについてご紹介しています。

まだご覧になって無い方は、先に前回記事をご覧ください。




1.Limiter(リミッター)

Limiterは読んで字のごとく、Limit=制限をかけるエフェクトです。なにに制限をかけるか、というと、『最大音量』に制限をかけます。構造としてはコンプレッサーに近いエフェクターで、Comp/Limiterとしてまとめられているプラグインも数多く存在します。

L1_limiter

例えば、最小音量が10、最大音量が80のオーディオトラックがあったとします。

ここで、Thresholdが50のリミッターを使用して30のゲインアップをすると、最小音量は40、最大音量が80のトラックになります。

Thresholdでリミッターの動作する『しきい値』を決定し、Ceiling(シーリング=天井)の音量以上にならないように音圧をコントロールするのが、Limiter(リミッター)の働きです。

主に2MIXやステムの最終段にインサートされ、全体の音圧アップやダイナミックレンジの最適化に使用されます。

以下のサンプルサウンドも確認してみてください。なお、サンプルファイルは効果をわかりやすくするためにかなり大袈裟にエフェクト処理をしています。


Dr Mix エフェクト無し

Dr Mix Limiter

一時期はかけられるだけLimiterをかけて、メーターの針が落ちて来ないほど全体の音圧が高いMIXが持て囃された時期もありましたが、現在では音圧に関する考え方も変わり、ほどほどに抑えて置くのが主流です。

かけすぎると、全体のダイナミックレンジが狭まり、平坦なMIXになってしまうので、かけすぎには注意が必要なエフェクトです。

2.Multiband Comp(マルチバンドコンプレッサー)

前回紹介したコンプレッサーのマルチバンド版です。

どういうことかと言うと、『各帯域ごとに設定を変えられるコンプレッサー』です。

例えば、低域の音をコンプレッションしつつ、声の集まる中高域はコンプレッションせずにダイナミックレンジを生かす、というようなことが可能になります。

mbc_c4

こちらも単一のオーディオトラックよりも2MIXやステムに使用することが多く、各帯域ごとの音圧感やバランスの調整に使用されます。

ドラムのステムにマルチバンドコンプをかけたサンプルです、バスドラに思いっきりコンプがかかり、スネアにはちょっとコンプ、シンバル類はコンプがかからない設定です。

Dr Mix エフェクト無し

Dr Mix マルチバンドコンプ

3.Multiband Limiter(マルチバンドリミッター)

名前の通り、リミッターのマルチバンド版です。各帯域ごとにリミッティングをして音圧を稼ぎます。

リミッターをハードにかけると低域が暴れたりすることが多いのですが、これを使うと、低域のみ優先してかかることもないので、バランスよくリミッティングすることができます。

MIXよりもマスタリング向きのエフェクトですね。

4.Transient Effect(トランジェント系)

Transient系とは一言でいうと、オーディオトラックのアタック、リリースなどのエンベロープを調整するプラグインです。

transient

新出単語がいっぱい出てきたので、解説です。

Attack(アタック)

音の立ち上がりのことを指します。
打楽器などはアタックが速く、バイオリンなどはアタックが遅い楽器ということになります。

Sustain(サスティーン)

音が立ち上がったあと、継続する時間のことを指します。
打楽器の中でもミュートをしたバスドラムなどはサスティーンが短く、シンバルなどはサスティーンが比較的長い楽器ということになります。

HOLD(ホールド)という表現をしているエフェクターもあります。

Rerease(リリース)

音の継続後の消え際のことを指します。

Decay(ディケイ)という表現をしているエフェクターもあります。

BD_Transient

Envelope(エンベロープ)

上記のような波形全体のことを指します。

ちなみに、上の図では左の波形がノンエフェクト、右の波形がアタックを強調し、サスティーンを目立たなくしたものです。

Transient系エフェクトは、最近になってよく耳にするエフェクトで、主に打楽器のアタックを強調したり、リリースを短くするのに使用されます。

以前は、ゲートで余韻を切って、コンプでアタックを強調して、とやっていたことを、波形そのものを編集する方向で時間短縮している感じです。

スネア、バスドラのサウンドサンプル

スネアはアタック最小、サスティーン最大、驚異的なサウンドしてます。

スネア ノンエフェクト

スネア Transient

バスドラはアタックを強調して、サスティーンを小さく、上の波形のサウンドです。

バスドラム ノンエフェクト

バスドラム Transient




3行でまとめると

  • LIMITERで音圧アップ!
  • Multiband COMPで帯域別に音圧アップ!
  • Transientでアタック強調!

最後に

前回回収できなかったダイナミクス系エフェクトをご案内してきましたが、どうだったでしょう?

個人的にはスネアをTransientでアタック削ってサスティーンを伸ばすってやらないので、サウンド聴いてとても新鮮でした。

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