豊富なプラグインがバンドルされていて、お得なNative InstrumentsのKOMPLETE、Native Instrumentsの高品位なプラグインインストゥルメントが複数含まれているので、使用している方も多いのではないかと思います。
私もKOMPLETEを長年使用していて、ピアノ音源のTHE GIANT、シンセ音源のMASSIVE、ABSYNTH、FM8、ストリングス音源のSession Stringsあたりは使用頻度も大変高く、お世話になっております。
これだけのボリュームのプラグインインストゥルメントがセットになっているので、導入した直後にはどれを使用すればよいか迷ってしまいます。慣れてくると適材適所に配置できるので、基本的なプラグインインストゥルメントはKOMPLETEだけでまかなえるようになってきます。
特に、生楽器系のサウンドはDAW標準のものよりも高品位であることが多く、MIX時にも馴染みが良いものが多いのがメリットです。
目次
KOMPLETEのエフェクトプラグイン
KOMPLETEといえば、どうしてもプラグインインストゥルメントに目と耳がいってしまいますが、プラグインエフェクトも数多くバンドルされています。せっかくバンドルされているのに使わないのは勿体無い!
ということで、今回は少し視点を変えて、KOMPLETEにバンドルされているエフェクトプラグインについてご紹介していきます。
Native Instruments / KOMPLETE 11
GUITAR RIG PRO
GUITAR RIG PROはライン録音したエレキギターやエレキベーストラックに使用し実際のギターアンプ、ベースアンプからのサウンドをシミュレートする、いわゆるアンプシミュレーターです。
IK MultimediaのAmplitubeシリーズやPositive GridのBIASなどに比べるとシンプルな操作性です。その分比較的動作が軽く、マシンスペックにもよりますが、複数トラックに使用しても安定した動作を見せてくれます。
エフェクト類も充実しており、空間系エフェクトを使用したクリーントーンから、ブースターを使用した、かなり深めのディストーションサウンドまで自然に再現することができます。
SUPERCHARGER
SUPERCHARGERは真空管コンプレッサーの動作をエミュレートしたコンプレッサープラグインです。真空管のエミュレートを行なっていることで倍音が付加されており、通しただけでサウンドが変化するアナログ機器のような動作を見せます。
また、原音とエフェクト音のバランスを設定するツマミがついており、原音(Dry)にエフェクト音(Wet)を足して使用する、パラレルエフェクトを行うことができるのもメリットです。パラレルエフェクトを使用することで、かなりハードにコンプレッションしてもサウンドに抜けを残すことが可能です。
各種ダイナミクスエフェクトの効果については下記記事も合わせてご参照ください。
TRANSIENT MASTER
非常にシンプルな操作子ながら絶大な効果を発揮する、その名の通り、いわゆるトランジェント系のエフェクトです。トランジェント系のエフェクトは入力信号をアタック成分とサスティーン成分に分けて、それぞれの音量を設定することが可能なエフェクトです。
主な使いどころとしては、ドラムの各キットなどに使用して鳴りの長さを調整しタイトなサウンドを作ったり、生の余韻を残してナチュラルなサウンドを作ったりというところです。
私もこのTRANSIENT MASTERはよく使用しています。
SOLID BUS COMP
SOLID BUS COMPは名前の通り、主にサブミックスバスに使用するバスコンプレッサープラグインです。
“ミックスをくっつける”機能の言葉通り、ドラムのバスにインサートして、浅めのスレッショルド、レシオに設定をすると、各キットに自然と一体感が生まれます。本家SSLなどからも実機をシミュレートしたバスコンププラグインが出ていますが、サウンドの方向性としてはかなり近いものを感じます。
こちらもSUPERCHARGER同様、Dry音をMIXしていくパラレルエフェクトが可能です。
サブミックスに関しては、下記記事も合わせてご覧ください。
SOLID DYNAMICS
コンプレッサーとゲート/エキスパンダーの統合ダイナミクスプラグインです。大変シンプルな操作系で、エフェクトに慣れていない方でも迷わずに使用できるのではないかと思います。
コンプレッサー部分は非常に素直なかかり方をするので、どんな楽器にも使用できます。どちらかというと、ダイナミックレンジの調整用で、SUPERCHARGERのように色付けなどはないクリーンな感じのコンプレッサーです。
ゲート/エキスパンダーについても余計な色付けがなく素直な動作をしてくれるので、ドラムのサウンドをタイトにしたり、録音時のノイズゲートとしても使用可能です。
プラグインのインターフェースにゲインリダクションメーターやゲートの動作状況が表示されないので、現在の動作を視覚的に判断することができないのが少し残念です。
SOLID DYNAMICSもDry音をMIXしていくパラレルエフェクトが可能です。
SOLID EQ
SOLID EQはLPF、HPFの2つのフィルターと、LF、LMF、HMF、HFの4バンドからなるEQプラグインです。
こちらも大変シンプルな操作系となっています。センターのGとEはSSL4000のGシリーズとEシリーズを表していると思われます、SOLID EQですからね。実機が手元にないので、比較できないのが申し訳ないです。
当然、スイッチを切り替えることでEQの特性が大きく変わります。スイッチEでは、狭いQでのカットなどの細かい部分の調整に、スイッチGでは広いQでブーストしたり、LF/HFをシェルビングでブーストしたりすると個性が生きてきます。
EQでのブースト、カットについては下記記事も合わせてご参照ください。
ULTIMATEで追加されるプラグイン
ここまでKOMPLETEにバンドルされるエフェクトプラグインを6種ご紹介してきましたが、KOMPLETE ULTIMATEにはこれより多くのプラグインエフェクトがバンドルされています。
中でも、Softubeとの共同開発を行なっている、VINTAGE COMPRESSORSバンドルやPREMIUM TUBE SERIESバンドル、REBERB CLASSICSは完成度が非常に高く、即戦力のプラグインです。
VINTAGE COMPRESSORSバンドル
VC2AはLA2A、VC76は1176、VC160はdbx160とそれぞれ名前を見れば使い方、使いどころがわかるようなコンプレッサー達です。VC76のALLなどがよい感じに再現されています。実機にはないパラレルエフェクトも魅力ですね。
モデリングも非常に丁寧にされており、使えるプラグインであることは間違いありません。また、他社製品のモデリングものよりも負荷が軽いように感じます。
PREMIUM TUBE SERIESバンドル
TUBEのシミュレートはSoftubeのお家芸ですね、このバンドルも各プラグインが丁寧に作られています。
PASSIVE EQは2MIXやサブミックスの調整に役立ちます。VARI COMPは自然なかかり具合が魅力で、SOLID DYNAMICSよりも暖かいサウンドが特徴です。ENHANCED EQは操作系、効果ともに、なかなかにユニークなEQで、これではないと出せないサウンドがあります。
REBERB CLASSICS
名前の通り、LEXICONの224と480Lのシミュレートリバーブです。有用なプリセットが多く、導入してすぐに高品位なリバーブを使用することが可能です。
バンドル品とはいえ、Softubeによるモデリングも非常に丁寧にされており、どちらも使えるプラグインであることは間違いありません。
いわゆるプラグイン沼にハマる前にKOMPLETEをULTIMATEにアップグレードするのもよいのではないでしょうか。
Native Instruments / KOMPLETE 11 ULTIMATE
Native Instruments / KOMPLETE 11 ULTIMATE UPG for K8-11
3行でまとめると
- インストゥルメントだけではなくエフェクトも高品位!
- 全体的に動作が軽量!
- KOMPLETEだけでも一通り揃ってる!
最後に
今回はNative InstrumentsのKOMPLETEにバンドルされているエフェクトプラグインについてでした。
どうしてもプラグインインストゥルメントに注目しがちですが、エフェクト群もなかなかに高品位なものが揃っています。「音源も欲しいし、エフェクトも充実させたい!」という方にはぴったりなのではないでしょうか?
また、ULTIMATEではSoftubeのプラグインが多数バンドルされています。これだけのプラグインを別々に導入するとかなりの予算が必要ですが、KOMPLETEをお持ちであれば、アップグレード分の予算だけですみます。音源も強化できて、高品位プラグインも手に入るので、大変おすすめです。
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