Kemper Profiling Amplifierをずっと使って来ましたが、他のデジタル系アンプやプリアンプ・マルチエフェクターの類に必ずと言っていいほど用意されているエディターがなかったことが気になっていました。
昨年から公式エディターが含まれているRIG MANAGER 3のベータ版がリリースされていたのですが、ライブやレコーディングが続いていたのでアップデートを控えていました。
最近になってやっと本体OSと併せてアップデートをしたので、使用してみた感想を含めて使用方法についてご紹介して行きたいと思います。
RIG MANAGERやProfiling Amplifier本体OSのアップデート方法については、下記記事で詳しく解説をしています。今回のアップデートの際に自分でも参考にして作業を行いました。まさに備忘録!
目次
RIG MANAGER 3
さて、さくっとアップデートを済ませて起動してみると、画面下部に各種パラメータが表示されています。Profiling Amplifier本体に比べるて画面が大きいので非常に見やすいです。
この状態で各ツマミをドラッグしてやると、本体のパラメーターも連動して変化して行きます。逆に、本体のパラメーターをツマミで変更するとRIG MANAGER内のパラメーターも変化します。元の値がわからなくなってしまったら、エディター上のツマミを右クリックして[Revert Parameter to Default]を選択するとEQだったら[0.0]など初期設定値に戻ります。また、右クリックして[Revert Parameter to Stored Value]を選択すると、編集を始める前の値に戻ります。
右下のDuplicateをクリックすると編集中のRIGを複製、Store Rig In Local LibraryをクリックするとPCのライブラリに保存、Store Rigで本体のStoreと同様の動きをします。
複数のRIGをエディットする際に、固定しておきたいモジュールは、各モジュール右上の小さい南京錠マークをクリックするとロックできます。本体のLOCKと同様の振る舞いです。私はインプットにノイズ対策のゲートを設定しているので、INPUTモジュールはロックして使用しています。
スロットを選択して左下の三本線をクリックすると、そのスロットにロード可能なエフェクトの一覧が立ち上がります。その左にはON/OFF切り替えの電源ボタンがあります。当然クリックするとバイパスになります。
プリセット画面からドラッグ&ドロップでもスロットにエフェクトをロード可能です。同じ設定のコーラスとかディレイを使い回す時などに便利ですね。本体で同様の操作をすると、どうしても手数がかかってしまうので、一つの画面で作業を進められるのは助かります。
また、DAWを使った作業中にProfiling Amplifierを使用したリアンプを行うシチュエーションでは、今までPCのディスプレイとProfiling Amplifierの間を行き来していたのですが、RIG MANAGER 3のおかげでPCのディスプレイだけで作業が行えるので便利になりそうです。
エディター以外の機能は今までのRIG MANAGER 2と基本的に変わっておらず、使いづらさを感じることはありませんでした。追加機能に関しても特に説明書が必要なことはないと思います。
RIG MANAGERの基本的な操作方法を紹介しているページは下記リンク先です。
使ってみた感想
ここからは、現在ライブで使用しているRIGのバックアップや、レコーディングで使用してきたRIGをバックアップしてProfiling Amplifierから削除という作業と並行して色々いじってみた感想をのべたいと思います。
まず、基本的なRIGの管理機能ですが、元が完成されていたので特に不便を感じることはありませんでした。ただ、アップデートしてすぐにRig Exchangeが15000件以上のRigを読み込み始めてしまい、しばらく操作ができませんでした。
続いて、エディター機能ですが、後述の致命的な欠点を除いては概ねいい出来なのではないでしょうか。本体操作でPAGEをめくり続ける作業とはお別れできます。
また、プリセットからドラッグアンドドロップで直接スロットにエフェクトを引っ張れるのはやはり便利ですね。ただ、個人的なことで恐縮なのですが、私はProfiling Amplifierのエフェクトをほとんど使用しておらず、あまり恩恵を受けられておりません。今後、エフェクトを多用したセッションがあれば、音作りの際に使うかなという感じです。
同時リリースされているCab Makerというソフトではギターアンプ用スピーカーキャビネットのIR(Impulse Response)を読み込ませるとKemper Rig用のCabinetモジュールを生成してくれます。実際に手持ちのIRを44.1kHzにコンバートして読み込ませてみたところ、当たり前のようにCabinetのデータが出来上がりました。こちらも今後使って行くかも知れません。
致命的な欠点
結構な「KEMPER信者」の私ですが、前述のした致命的な欠点が有る限りはあまり使わないかも知れません。
その致命的な欠点とは、オフライン作業ができないというところと、Profiling Amplifierに現在ロードされているRigしか編集できないというところです。上の画像はProfiling Amplifierを接続していない状態のRIG MANAGERなのですが、ローカルにあるRIGを選択しても画面下部にエディターが表示されていません。
理想としては、PCで各RIGに大体のエフェクトとパラメーターを振ってから、音を確認しながらRIGを作っていくような使い方ができればと思っていたのですが、現状のRIG MANAGER 3ではそれができません。この辺りは後発のBIAS HEADに遅れを取ってしまっている感があります。
また、こちらは他社エディターでもできないことが多いですが、2つのRIGを同時に展開し、パラメーターを見比べながら設定を行うということが出来ないことにも若干の不便を感じます。
私は前述の通り、あまりエフェクトを多用するタイプではないので、このあたりの機能がなくてもそこまで不便を感じないのですが、逆にそれならわざわざPCと接続して、RIG MANAGERを起動して楽器を抱えたままPCのディスプレイを見て、という手間をかける位なら本体でエディットする方が手っ取り早いと感じてしまいます。
あくまでもRIGの管理ソフトにエディター機能が追加された、というところなのでそんなに不満があるわけではありませんが、これが単体のエディターとしてリリースされていたら残念な気持ちになっていたと思います。
RIG MANAGER単体でRig Exchangeから保存したRIGを後から接続したProfiling Amplifier本体に流し込むことは可能なことから、RIG MANAGERにRIGのパラメーターを読み込ませることでオフラインエディットは技術的には可能だと思うのですが…、今後のバージョンアップに期待しています。
3行でまとめると
- やっとアップデート出来ました!
- 大きな画面でサクサクエディット!
- 今後のアップデートに期待してます!
最後に
さて、今回はRIG MANAGER 3の使用感をお伝えしてまいりました。
正直、エディター機能に期待しすぎていたのでちょっと拍子抜けしていますが、PCの画面でRIGの整理をしながら簡単なエディットができるというのはとても大きな進歩だと感じています。
まだ実際に使用していませんが、先にも触れたようにDAWでのリアンプ作業時には、ライブラリからロード→サウンドを作り込む→別名で保存という流れが本体操作なしにできるので、かなり快適になるのではないかと思っています。
ラインナップにフロアタイプのProfilier Stageも加わり勢いづいてきたKemper Profiling Amplifierなので、その他の部分については今後に期待です。
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