Guitar

ギター上級者はこうやって練習している!?スタジオ個人練習のススメ

突然ですが、多くのリハーサルスタジオには料金がお得な個人練習システムがあるのをご存知でしょうか?

予約は前日の夜からなど、直前にしかできないことが多いですが、スタジオを遊ばせておくくらいなら、とかなり破格の料金体系になっているスタジオが多いです。

利用可能人数が1〜2名までのことが多く、バンド全体の練習には使えませんが、住宅環境的に自宅で練習のできないドラマーや、アコースティックデュオの方々などが多く使用しています。

今回は、ギタリストが一人でスタジオ個人練習を行うことで得られるメリットや、個人練習の有効活用法についてご紹介していきます。



目次

リハーサルスタジオとは?

trev

バンド初心者の方は、リハーサルスタジオといっても今ひとつピンと来ないかも知れません。

リハーサルスタジオとは、防音設備があり、ドラムや弦楽器用のアンプ、ボーカル用のミキサーやモニタースピーカーなどが置いてある個室です。

バンドで曲を合わせて全体練習をしたり、曲作りのためにアイディアを持ち寄ってジャムセッションを行ったり、ライブ本番を想定したリハーサルを行ったりする場所です。

感覚としては、カラオケボックスのように建物の中に小さな部屋がたくさんあるのを想像していただければ、だいたい合っています。

リハーサルスタジオによって各部屋の名前はAスタジオ、Bスタジオなどのアルファベット表記や、1スタジオ、2スタジオと数字表記のスタジオ、OrangeやBlueなど英語の色名表記のスタジオと様々です。アルファベットや数字で部屋名を決めているスタジオでは『Aスタ』とか『2スタ』という感じに略して呼ぶことが多いです。予約の際に、スタッフさんが当たり前のように略して呼ぶ場合があるので聞き間違えのないよう、注意しましょう。

リハーサルスタジオに置いてあるPAミキサーの使用方法については下記記事を参考にしてみてください。

ギタリストの個人練習

LesPaul

エレキギターはヘッドホン出力のあるマルチエフェクターやプリアンプ、ギターアンプ、DAWのインターフェースなどがあれば自宅でも練習ができます。極端な話、周りがある程度静かであれば、エレキギター本体からの音で運指練習やフレーズの確認など、ある程度の練習ができてしまいます。

また、音作りの面でも、自宅でサウンドを作り込んでライブ会場でも同じ音で演奏をする、というスタイルのギタリストさんも多いのではないでしょうか。

しかし、今回あえてリハーサルスタジオでの個人練習をオススメするのには理由があります。多くは音作りに関するメリットなのですが、ここからは、その理由についてご紹介していきます。

ライブ本番と同様の音量で音作りができる

monitor

日本国内では、よほど住宅環境に恵まれた方でないと自宅でギターアンプをしっかりとした音量で鳴らすことは困難です。防音室付きの物件などもあるにはあるのですが、同程度の物件に比べて割高だったり、そもそもの絶対数が少ないため簡単には見つけられません。

リハーサルスタジオでの個人練習であれば、通常考えられうる音量で演奏する分には近隣からのクレームを受ける心配はありません。

なぜ本番と同じ音量で音作りをするべきなのか?

ギターサウンドの中でもロック系統の音楽で多用されるオーバードライブ・ディストーションサウンドではギターアンプの出力でギター本体やピックアップが振動することによって発生するフィードバックやハウリングが起きやすくなります。

自宅用の小型アンプやヘッドホンでは起きなかったフィードバックやハウリングがライブ本番の会場リハーサルで起きてしまうと、せっかく設定したエフェクターやアンプの設定をやり直す羽目になります。

また、小さい音量だと抜けの良い軽快なサウンドに聴こえていても、ライブ用の音量にすると薄っぺらかったり、耳が痛いハイ上がりなサウンドになってしまっている可能性があります。低域に関しては高域よりも音量の影響が大きく、ヘッドホンで聞いた時には図太いドライブサウンドだったはずが、ギターアンプで鳴らしてみると、ひたすらに抜けないサウンドだった、ということもよくあります。

音色を複数使用して、エフェクターのON/OFFで切り替えながら使用する場合、音色ごとの意図しない音量差が出ないようにするのが一般的ですが、小音量の小型アンプやヘッドホンではこの音量差がわかりづらいことも多く、本番当日にあたふたしている方をよく見かけます。

リハーサルスタジオで本番と同様の音量で音を作っておくことで、これらのトラブルを未然に防ぐことができます。

ゆっくりと音作りをすることが出来る

coffee

ライブの本番当日、会場でのリハーサルは時間との戦いになることがほとんどです。特に、慣れない会場の場合、リハーサル転換の段取りや曲順表・セッティング図などの記入に追われてしまい、ゆっくりとアンプの音を作り込むことは困難です。ここでの主体は演出面やバンド全体のサウンドの確認です。

また、バンドの全体練習・リハーサルの時に主体になるのはバンド全体の演奏の確認です。ここでも予約の時間やメンバーのスケジュールのことを考えると、パパッと音を決めて、すぐ全体で音合わせに入るのが得策です。ここでもギターアンプのサウンドをゆっくり作り込むことは困難でしょう。

ゆっくり音作りをすることのメリット

単純に焦ってセッティングをしても思い通りのサウンドが得られないことが多いので、自分の時間の許す限り音作りが行えるのは大きなメリットです。

特に、機材の点数・物量が多いギタリストの場合、搬入〜セッティングに時間を取られてしまい、ライブ会場やバンドリハーサルの場では、全ての音色をゆっくり確認するのは困難です。個人練習では、スタジオの予約時間いっぱいまで音作りに使用することが可能です。新しいエフェクターを導入した際や、ギター本体のピックアップを交換した際など、時間の許す限りゆっくりと音作りを行うことで、本番当日やバンドリハーサルであたふたすることが無くなります。

また、バンドアンサンブルに入ると聞き取りづらくなる空間系やディレイ・リバーブの設定も個人練習で行うと効果的です。アンサンブル内で効果を感じづらいためにかけ過ぎになることが多いエフェクト群なのですが、他の音がない状態で設定を行うことで、適正な設定を行うことができます。基本的に、ライブ本番のギターアンプはオンマイク(近接集音)で音を拾い、PAシステムに取り込むので、ギターアンプ単体で聞いた時に効果を感じられていれば大丈夫です。



ライブ本番と同様の機材で音作りが出来る

marshall

現在、国内の多くのライブハウスにはMarshall JCMやJVMシリーズのセパレートタイプ(アンプヘッドとキャビネットが別)のアンプとRoland JC-120が常設されています。リハーサルスタジオにも同様にMarshallのJCMやJVM、RolandのJC-120が設置されていることが多いです。

また、アンプヘッドを持っていても、自宅ではキャビネットがなかったり、住宅環境的に大音量で鳴らせない、といった場合にもスタジオ個人練習は有用です。

ライブと同様の機材で音作りをするメリット

個人練習でしっかりと音を作り込んでおけば、ほとんどのライブ会場で同様のサウンドが出せる、ということになります。当然、個体差やモデルの差で完全に同じサウンドにはなりませんが、ライブ当日に軽く補正できる場合がほとんどです。

前述の音量の項でも触れましたが、ライブ会場と同じアンプで、同じ音量でギターサウンドを作っておくことでライブ本番当日にある程度つまみの位置を決めてから調整することが可能です。思い通りのサウンドが出せることに加えて、貴重なリハーサル時間の短縮にも繋がります。

エレキギターの微調整を行うことが出来る

tyousei

エレキギターの演奏性に関わる調整に関しては、自宅で行うことができますが、ピックアップやポールピースの高さ調整や内臓アクティブブースターのGAIN調整などシビアな調整は大きな音を出しながら調整した方が確実です。

特にピックアップ高に関しては、1mm以下の調整でもサウンドは確実に変化します。この変化はアンプから鳴らしてみないと見落としがちな部分です。

ピックアップ高の設定に関しては以下の記事も参考にして見てください。

また、シールドを替えて音色変化を確かめてみたり、同種のエフェクターを入れ替えて見たり、接続順を替えてみたり、プリアンプのラインアウトのサウンドがPAスピーカーからどのように出力されるのかを確かめてみたり、とサウンドシステム全体のチェックを行うことも可能です。

意外に思われるかも知れませんが、エレキギターサウンドにおいてシールドが影響を与える部分は非常に大きいです。シールド選定に迷ったらこちらの記事をご参照ください。

システム全体のセットアップが済んだら、シールドやエフェクターなどエフェクトボードの内容物や配置の整理も行うことで、ライブ会場やバンドリハーサル時にセッティング時間の短縮に繋がります。基本的にケースを開けてシールドを繋げば、すぐに音が出る状態にしておくのが理想です。

エフェクター・アンプを試奏出来るスタジオもある!

effector_1

リハーサルスタジオによっては、無料・有料のレンタル機材にコンパクトエフェクターやギターアンプを揃えていることもあります。特に楽器店直営スタジオや系列スタジオに多く見られる傾向です。

エフェクターやアンプの試奏を楽器店さんで行う場合、楽器店さんが用意したエレキギターを使用してお店の営業に差し支えない程度の音量で、短時間の試奏に限られることになります。一方、リハーサルスタジオのレンタル機材を借りた場合、スタジオ利用時間の許す限り、実際にライブで使用する音量でエフェクターやギターアンプの試奏を行うことができます。

どのようなエフェクターやアンプがレンタル可能か、また有料なのか無料なのかについては、利用する予定のスタジオのWebページなどを参照してみるのがよいでしょう。また、レンタル機材は数に限りがある場合があるので、予約の際にレンタル希望を伝えておきましょう。

ギターサウンドに客観的な意見を取り入れる!

guitar

ギターサウンドについてのコダワリを持っていない方はいないかと思いますが、時には客観的な第三者の意見を取り入れて見るのも良いかも知れません。とは言っても、どこの誰だかもわからない人に意見を貰うのも、それを参考にするのも現実的ではありません。

そこで、信頼できるギタリスト仲間と一緒にスタジオ個人練習に入り、お互いのギターサウンドに意見を出し合うことをオススメします。

自分が組んでいるバンドがツインギターのバンドだったら相方のギタリストと、よく対バンになる仲の良いバンドのギタリストと、付き合いが長く信頼できる先輩・後輩とスタジオ個人練習に入りギターサウンドに意見を貰ってみるのはいかがでしょうか?

意見がもらえること以外にも、どんなギターをどんなシステムで鳴らしているのか、お互いのギターの弾き比べをしてみる、エフェクターを入れ替えて弾いてみる、など色々なことが可能で、多くのメリットがあります。

スタジオ個人練習の利用可能人数については、利用するリハーサルスタジオによって様々です。意見交換をする場には2人以上で入れるスタジオを選びましょう。



3行でまとめると

  • 個人練習は音作りにとても有用!
  • 本番のアンプ・音量でゆっくりと!
  • 試奏や意見交換の場にも最適!

最後に

今回はリハーサルスタジオでの個人練習についてご紹介してきました。

意識して作らないと無いような機会ですが、ゆっくりと自分のシステムを試す、ってとても大切だと思います。特に、ライブ会場でギターアンプのハウリングに悩まされている方や、音がなかなか決まらずにリハーサル時間が無くなってしまう方にはオススメです。

 


当ブログのFacebookページです。
少しでも皆様のお役に立てたら「いいね!」していただけると歓喜します。



COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です