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バスに送ってまとめてエフェクト!ステムミックスの5つのメリット

みなさんはステムミックスという単語を聞いたことがあるでしょうか?

ステムミックスとは、ドラムや、ギターなど、それぞれ同系統の音源を主にステレオバスにまとめて、それぞれのバスフェーダーでMIXバランスを整えるMIX手法です。

例えば、MIX作業中に『6トラックあるコーラスパートが全体的に小さいので、音量を上げたい。』となったときに、6本のフェーダーをバランスを保ったまま一つずつ操作すると骨が折れますよね。

じゃあ、フェーダーグループを組んだりVCA/DCAを使用すれば良いのでは?

確かにそれも一つの方法なんですが、コーラスパートをバスに送ってコーラスのステムを作成することで、フェーダーのグループ化以外にもたくさんのメリットが生まれるんです。




ステムミックスを行うメリット

ここからは同種の楽器をまとめたステムを作成することで得られる5つのメリットについて解説いたします。

1.フェーダーグループと同様の効果が得られる

複数のフェーダーを同一バスに送ることで、先の例のようにグループごとの音量調節が容易になります。

2.各ステムにプラグインをインサートできる

bus-effect

例えば、ドラムステムにコンプレッサーとEQを挿すことで、ドラムセット全体のサウンドを整えることが可能です。

同時にエレキギターのステムにはマルチバンドコンプとM-S処理を施すなど、ステムごとに最適なプラグインを使用することができます。

3.ステムごとにステレオ感の調節ができる。

ステレオトラックを使用してステムを作成することで、ステム内のステレオ感を相対的に調節することができます。

ストリングスなどをL-R振り切りでステレオバスに送っていたときに、音が広がりすぎていると感じたらステレオバスのPANを調節することで、ステム内の各トラックのPANの位置の設定を残したままステレオ感の調節が可能です。

4.使用するプラグインの節約になる場合がある

ドラムのタムなど各トラックをEQしていくと、気が付いたら全トラック同じ周波数をブーストしていたりカットしていたりする場合があります。

そんな時にバスまとめてからEQをインサートすることでまとめてEQ処理が可能になり、結果としてCPUパワーの消費が押さえられる場合があります。

5.同期を簡単に作成、使用できる

最近、ジャンルを問わずライブでシーケンス(同期演奏)を使用するバンドさんが増えてきたと思います。

ステムごとにリバーブなどを含めてオーディオ化しておき、ライブ用のセッションに読み込んでおくと同期の中でピアノだけが異様に大きいなどの問題を現場ですぐに解決することが可能です。

ステムミックスの歴史

以上5つのメリットについてお伝えしてきましたが、ステムを作成する最大のメリットは[2.各ステムにプラグインをインサートできる]です。

もともと、ステムミックスとは、アナログテープ媒体のマルチトラックレコーダー(MTR)を使用していた時代からの手法です。

MTRの出力を大型のアナログミキサーに立ち上げて、EQやCOMPなどの処理を行い、ReverbやDelayにセンドリターンしてMIXを完成させていました。

ステムミックスはレコーダーやミキサーのトラック数、ハードウェアの機体数の制約で一時的にトラックダウンする必要があった場合に行われてきました。ひと昔前のカセットMTRなどでの『ピンポン録音』と言われる手法です。

アナログからデジタルへ

さて、時代はデジタルテープ、DAWと進化して行ったことで、一つ大きな変化が生まれました。

MIXを完成させるのがアナログコンソールの内部、『アナログ段』から、DAWの内部、『デジタル段』へと変化していっているのです。

この変化で、機体数の制約や、機器の接続が多い場合に気になるホワイトノイズ、設置スペースやメンテナンス費用などアナログ機材の弱点がデジタル機材によって解消されました。

しかし、現在でも大規模スタジオなどでは大型のアナログコンソールを使用してレコーディング作業、ミックス作業が行われています。

これはどうしてでしょう?

アナログ段でのMIX

レコーディングスタジオが未だアナログコンソールやサミングアンプなどのアナログ機材を使用している理由は、MIXを『アナログ段』で行うためです。

では、周波数特性、位相特性、メンテナンス性、省スペース化など、デジタル機材の方が優れている点が多いのに、なぜアナログ段でのMIXにこだわるのでしょうか?

ここからは私個人の感覚によるところが非常に大きいのですが、PA、レコーディング問わずデジタル段でのMIXには『混ざらない』、『飽和感がある』という印象があります。

これを『デジタル臭さ』なんて言ったりもします、抽象的で申し訳ないです。逆説的に言うと、アナログ段でのMIXは『混ざる』、『飽和しない』と言うことです、これを『アナログ感』なんて表現したりします、本当に抽象的で申し訳ないです。

アナログ感や倍音については以下の記事で詳しく解説しています。合わせてご参照ください。

アナログ機材には機器固有の歪みや倍音付加という特徴があります。

それが狙ったものかどうか、電気的に優れているかどうかは置いておいて、それらの特徴的機材を使用したレコーディング、ミックスが『良いMIX』の基準になっています。

そのため、ハードウェアメーカー各社、プラグインメーカー各社が所謂ビンテージ機材のモデリングに多くのコスト、労力を注いでいるのだと思います。

楽器の世界でもビンテージものの価格が高騰し、リイシューものが人気であることから、レコーディング機材同様、それらが『良い音』の基準なのだと言えると思います。




アナログ感を得る方法

ではどうすればデジタル臭さから逃れ、アナログ感を得られるのでしょうか?

ステムにアナログ機材を使用する

一つ目の方法は、各ステムをオーディオインターフェースから別々に出力し、アナログのアウトボードを通してからオーディオインターフェースに戻す、ハードウェアインサートという方法です。

この方法は多くのスタジオで行われている方法ですが、スペース的な問題もあり自宅でのDAW環境では少々厳しいと思われます。

ステムにアナログモデリングプラグインをインサートする

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一方こちらは、アナログ感を出すことに特化したプラグインをステムに使用することでアナログ感を出して行こうという2つ目の方法です。

この方法で必要なのはアナログモデリングプラグインだけです。アウトボードを揃えるよりも気軽に使用できるのではないでしょうか?

下記記事では実際にステムミックスを行う方法について詳しく解説しています。是非ご覧になってみてください。

 




3行でまとめると

  • ステム作成でミックスが楽になる!
  • ステムごとに音質、ステレオ感の調整ができる!
  • アナログ感を得ることができる!

最後に

今回はステムミックスのメリットについてでした。
途中からアナログ感について熱く語る記事になってしまいましたが・・・。

次回以降、実際のステムの作成方法や、
ミックスバスにプラグインをインサートする方法について書いていきます。

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