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TIPS

重いプラグイン対策に!CPUオーバーロードエラーの原因と対処法


DAWでの作業中に突然の再生停止、そうです、CPUオーバーロードエラーです。

こうなってしまうと、次第にディスプレイの処理がカクついたり、モニターがバツバツいったり、最悪の場合DAW自体が落ちてしまうこともあります。

今回はそうなってしまった場合の対処法や、そうならないための予防法についてご紹介していきます。

Mac本体のメンテナンスも合わせて行うと効果大です。今回の記事と合わせて以下の記事もご参照ください。

 





CPUオーバーロードエラーの原因と対処法(環境編)

以下、考えられうるCPUオーバーロードの原因とそれぞれについての対処法を考えてみます。PC本体のメンテナンスも合わせて行っておくことでより良いコンディションで作業ができることでしょう。

参考記事:PCのメンテナンスについて(記事準備中)

 

1.他のアプリケーションと同時に起動している

ウェブブラウザでTIPSを見ながらのMIXなど、便利なのですが、PCのCPUパワーはDAW含めて有限です。限られたCPUパワーやメモリリソースをDAWだけに使用するために、DAWでの作業時には他のアプリケーションの起動は控えましょう。

TIPSやマニュアルなどを参照しながら作業を行いたい場合は、タブレットやスマートフォンなどを使うと、DAWの動作とディスプレイ上の作業スペースに余裕が生まれます。

 

2.バックグラウンドでOSが作業をしている

OSやソフトウェア、セキュリティソフトの更新、バックアップの作成など、起動中のパソコンは意外と多忙の身です。DAWの起動中にOSがバックグラウンドで自動的に作業をしている場合もあります。

また、DAWソフトウェアメーカーは基本的に最新のOSでの動作をメーカーで確認するまではOSのアップデートを推奨していません。DAW用のPCではコントロールパネルやシステム環境設定などで、ソフトウェアの自動更新をOFFにしておきましょう。

 

3.コンピューターのスペック不足

PCのスペックは近年で大きく向上しました。そのため、少し前の年式でもDAWの動作環境を満たしていなかったりします。DAWメーカーの製品ページなどで動作環境を確認しましょう。メーカーの動作環境はあくまでも最低限の動作を保証する環境であることが多いです。

OSの構造上、同一の動作をさせる場合、WindowsPCの方がMacよりもハイスペックである必要がある場合があるので注意が必要です。また、DAWの推奨動作環境を満たしていてもプラグインを複数使用するとどうしても動作は緩慢になります。これについては工夫が必要なところです。

現在数社からDSP内蔵のオーディオインターフェースや、DSPベースのプラグインが発売されています。これらを使用することで、PC本体のCPUを使用することなくプラグインを使用することができます。

DSP内蔵オーディオインターフェース、UNIVERSAL AUDIO社のapolloシリーズのレビュー記事はこちらです。

 

4.メモリが固定されたままである

CPUではなく、メモリの話になりますが、PCは起動中に次の動作を速くしたり、よく呼び出すものをメモリに保存して行きます。

メモリ容量も有限なので、ある程度メモリが固定されていくと、実際に使用していなくてもDAWでアクセスできないメモリ領域が多くなってきます。そういった場合は、DAWでの作業を始める前にPCの再起動を行うのが効果的です。

ちなみに、私はDAW使用前は必ず再起動を行うようにしています。

memory

memory-saikidougo

上が再起動前、下が再起動後、どちらもキャプチャーソフトと、この文章を書くためのChromeのみ起動している状態です。メモリ解放アプリケーションを導入しているせいか、あまり差が出ていませんが、確かに効果はみてとれるかと思います。

 

5.CPUが高温になっている

PCパーツの中でもCPUは専用クーラーでの冷却が必要なくらい高温になるパーツです。

CPUは熱を持つと処理速度を落とし、自分が壊れないようにします。そのため、高温化では安定した処理ができずスペックダウンしている可能性があります。

大型のデスクトップPCであれば内部のスペース的に問題ないのですが、ディスプレイ一体型のPCやノートPCではパーツ間にスペースがないため、内部の熱が逃げにくく、CPU温度が上昇しやすくなります。

対処法としては、一旦保存して再起動、冷めてから作業再開や、下敷きタイプなどのノートPC用のファンを導入することが挙げられます。また、デスク上の風通しをよくしたり、室温そのものを下げることでも改善がみられます。

それにしても夏場の暑さは人間だけではなくPCにまで厳しいものなんですね…。




CPUオーバーロードエラーの原因と対処法(DAW編)

cpu-overload-error cpu-overload

ProToolsユーザーにはおなじみ(?)のこの画面、ご丁寧に対処法を教えてくださってます。

 

1.H/Wバッファサイズを増やす

ProToolsさんのおっしゃる通り、H/Wバッファサイズを変更するのは有効です。

この値を増やすと再生までのレイテンシーが大きくなりますが、MIX時には気にするほどのことでもないので、最大にしてしまってもよいかも知れません。

 

2.プラグインをオフにする

これまた、おっしゃる通り有効なのですが、こっちだって、そう簡単にプラグインをオフにしたり削除はできません。

そのため、面倒ではありますが、1トラックずつフリーズ、コミット、バウンスなどをしてアクティブなプラグインの数を減らす方法を取るのがよいでしょう。

以下、私なりの方法です。

  1. 現在のセッションを保存し、ProToolsを終了する。
  2. PC本体を再起動する。
  3. ProToolsを起動する。
  4. 先ほど保存したセッションファイルをShiftキーを押したままダブルクリックで起動する。
  5. 全プラグインがオフの状態になっているので、重いプラグインがインサートされているトラックからプラグインをアクティブにし、コミット、バウンスしていく。

別の記事でも触れましたが、CPU負荷が非常に高い状態では正常に再生がされない場合があります。そのことに備えて、全プラグインをオフで起動のショートカットを使用します。

軽い状態で立ち上がったセッションファイルから、処理が重そうなプラグインがインサートされているオーディオトラックのプラグインのみをアクティブにしてコミット、バウンスを行います。

ProToolsは上記のようなショートカットを知らないと便利に扱うことができません。これを機会によく使うショートカットを憶えておくと良いかもしれません。

 

 


以上のように、オーバーロードエラーは結局はプラグインを一回オフにして対処しなくてはならない場合が多いです。

ではどんな種類のプラグインが重いのでしょうか?

CPU負荷の高いプラグイン

リバーブ系
リバーブ系のプラグインは全体的に演算が複雑であるため負荷が高いです。

また、インサートエフェクトと違いセンドエフェクトはコミットやバウンスで対処がしづらく、フリーズも出来ないので、実質マシンスペック頼りになってしまうのも痛いところです。

アナログEQ、COMP系
アナログっぽさのシミュレートのため倍音付加などをしているため、演算が複雑になり、負荷が比較的高いです。

プラグインインストゥルメント全般
全般的に非常に重いですが、大規模サンプルをメモリ上に展開するものはメモリリソースも大きく食うため注意が必要です。

Native Instruments社のKONTAKTのように未使用ノートのサンプルをPurge(パージ)出来るものはPurgeしておくのがよいでしょう。Purgeの方法と効果については下記リンク先の記事をご覧ください。

 

 

また、プラグインインストゥルメントは音色が決まったら、トラックをソロにしてからバウンスして、オーディオ化しておくのがよいでしょう。

このときマルチアウト可能なプラグインインストゥルメントの場合、マルチアウトしておくと後の作業が楽になります。下記リンク先記事ではAddictive Drums 2のマルチアウト方法や一般的にマルチアウトを行うメリット、注意点について解説しています。

 

 

ギターアンププラグイン全般
倍音やアナログ回路上での歪みのシミュレートを行うため、演算が非常に複雑でCPU負荷も最大級に高いプラグイン類になります。

作業の早い段階でコミット、バウンスを出来ればよいのですが、ギターサウンドを早めに決めることもなかなか困難なので、頭が痛いところです。

オススメの方法としては、
録音後に歪み系、クリーン系、位のおおまかな分類で仮のセッティングのプラグインを通して仮ギターのチャンネルを作成し、元のチャンネルをオフにして、他のプラグインインストゥルメントのオーディオ化後にじっくりとサウンドを詰めていく、というのがよいのではないでしょうか。

私はこれに長年頭を悩まされてきましたが、UAD-2プラグインのギターアンプを使用するようになってモニター、リアンプともにストレスから解放されました。

それでもDSPリソースを解放するために、MIX前にオーディオ化したり、外部ギターアンプを使用してリアンプしています。

 




実際のCPU負荷

では実際にCPU負荷がどれくらいかかるのか、重そうなプラグインを挿していって確認したいと思います。

Macのスペック

検証に先立ちまして、私ZALの使用するDAWマシンのスペックです。

mac-spec

ごく一般的なMid 2015のMacBook Proです。デュアルディスプレイ用にグラボ搭載モデルを選んでいます。

 

プラグイン無し時のシステム使用状況

mac-spec

96kHz/24bitにて、16モノラルオーディオトラック、4ステレオAUXトラックのセッションを作成した直後の画像です。

全くと言っていいほど無負荷の状態ですね、キャプチャー用アプリケーションとChromeを使用しているため、メモリーは多めに触れています。

 

CPU負荷検証開始

many-reverb

リバーブの中では非常に動作の軽いAvid標準のD-Verbを嫌がらせの用に挿して再生してみました。

system-info2

あれっ、思ってたのと違う。もっといっぱい振れると思ってたのですが、いまいちでした。入力信号が正弦波だったのもよくなかったのかもしれません。

それでは、と別の手段に出てみることにします。

ギタートラックを8本にダビングして全てにIK Multimedia社のAmplitube3をインサートしていきます。

amplitube8

おお、壮観な眺めです。

さてCPU負荷はどうでしょう。

system-info3

だいぶいい感じに上がって来ましたが、まだ正常に再生出来てしまいます。

BIG COUNTERの動きは大分ぎこちなくなって来ましたが、オーディオが途切れる素振りがありません。

それでは、さらにAmplitubeを増やして行きましょう。

amplitube11

と11個目を挿した時に、カラータイマーが回り始めました。

force-end

見事に応答しなくなりましたね。

なにを目標に検証してるかもわからなくなってきましたが…、このときのCPU負荷は下の画像です。

system-freeze

再生していない状態でこれだけ振れてれば、いつ落ちてもおかしくない状態です。今回はオーバーロードエラーが出る前に落ちてしまいました。

 

検証結果

今回はMacが頑張りすぎな感じでした。

ただ、他のプラグインを一切使用せず、トラック数も少ない状態での検証なので、実際はもっと少ないトラックにしか同時に使用できないでしょう。

ちなみに、私は作業中常にディスプレイの端にこのシステム使用状況のグラフを表示させています。見慣れてくると視覚的に危ない状況がわかるので、トラブルを未然に防ぐことができています。




☆まとめ☆

  • DAW以外の部分に原因がある可能性あり!
  • プラグインの種類によってCPU負荷が違う!
  • それでもだめなら、地道にコミット、バウンス!

 

最後に

DAWを使う人々の頭を悩ませるCPU使用率とオーバーロードエラーについてでした。

よく映像屋さんに、「映像系はもっと重いよー」って言われるのですが、本当に恐ろしい話ですよね。

こまめなオーディオ化とこまめな保存、バックアップは行いましょう。

 


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ZAL

 

 

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コメント

    • 名無しさん
    • 2017年 2月 22日

    古い(失礼)記事にあれですが、思い切ってVEP使っちゃうとか。
    万単位ですが悪い出費ではないよなぁとか思ったりしています

      • ZAL
      • 2017年 2月 22日

      >名無しさん
      コメントありがとうございます。

      VEPって、Vienna Ensemble Proですよね。
      以前気になっていたことはあるのですが、結局導入しませんでした。
      今、ちょこちょこ調べてみたところ、以前のバージョンより大分便利になっていますね。

      マルチコアCPUを満遍なく効率的に使うにはVEPいいかもしれないですね。

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ZALのプロフィール

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お仕事:フリーランス音響エンジニア、
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