前回Part1では、ギターケースに入れておきたいグッズと弦交換に関してのグッズを中心にご紹介してきましたが、今回は自宅に用意しておきたいグッズ、自宅での練習に役立つグッズをご紹介していきます。
前回の記事は以下のリンクをご参照ください。
目次
ギタリストが自宅に置いておきたいグッズ
では早速、ギタリストが自宅に置いておくべき、あると便利なグッズを紹介していきます。
どれだけのスペースが楽器用に確保できるか、というところが大きいのですが、参考にしてみてください。
ギタースタンド
ULTIMATE / GS-1000PRO
家の中でもギターをケースに入れっぱなしだと、保管場所によっては温度・湿度の面で楽器のコンディションにはよくないことが多いです。特に、夏場などは金属パーツのサビが進行してしまったり、ボディが水分を含んでしまったりと湿度周りのトラブルに見舞われることが少なくありません。
なによりも、ケースに入れっぱなしの状態よりもギタースタンドにかけた状態の方が、少しの時間でもパッと楽器に触ることができるのが大きなメリットです。スタジオ前にちょっと触っておこうと思っても、なかなか動き出せない、といった状態になりづらいのが一番です。
シングルタイプのスタンドは安定感が命です。できるだけしっかりした作りのものを使用しましょう。ULTIMATEスタンドの上位機種であるGS-1000PROはヘッド部分をロックしてギター本体を吊り下げる構造になっています。安定感も十分確保できる上に、ネックのコンディションも良好な状態を保ってくれます。
また、複数のギターを使い分けている方には、複数本用のスタンドがおすすめです。
K&M / 17515B
複数本のギターを個別のケースに入れた状態で自宅に置いておくと、相当なスペースを食います。私も愛用しているK&Mの17515は省スペースで5本以上のギターをかけておくことができ、重宝しています。
どうせスペースを食うなら、インテリアとしても活躍してもらおうという考え方です。相乗効果(?)でギター本体にクロスをかける回数が増えたように思います。
また、17515のボディを置く側の仕切りは5本用なのですがネックハンガーは各仕切りごとに2つ付いています、どちらの向きにでもかけることができるように、ということなのでしょうが、実はストラトキャスターなどの比較的薄型のギターは一つの仕切りに2本かけることが可能だったりします。
実際、5本用に買い換えるまでの間は、3本用の17513を使用して、常時4本のギターを立てて使用していました。メーカー推奨ではないと思うので、試される場合は自己責任でお願いします。
他メーカー品と比べて若干割高ですが、樹脂が溶けたり、ラッカー塗装を侵食したり、スタンド全体がぐらついたり、と言うことがなく安心感のあるスタンドです。
工具類
CRUZTOOLS / GrooveTech Guitar Player Tech Kit
ギターのメンテナンスにはギターの弦を切るストリングカッター、ネジ類を回すドライバー、6角ナットを回す6角レンチ、弦高、ピックアップ調整に必須の定規、隙間ゲージなどなど、非常に多くの工具が必要です。
個別に買い集めると労力がかかるばかりではなく、結構なお値段になってしまったりもします。
楽器用工具メーカーのCRUZTOOLSからはエレキギターのメンテナンス、調整を行うための工具セットがいくつかありますが、どうせなら全部入りのGrooveTech Guitar Player Tech Kitがおすすめです。
おおよそどんな楽器のどんなネジでも回せるドライバーセットと、ミリ・インチ両方のレンチセットが付属しているので、持っておいて損はないと思います。
また、DIY派の方は内部配線用のハンダごてを用意しておきましょう。SI-1500はハンダごて本体と、少量のハンダ、こて台、コテ先洗浄用の紙やすりがセットになっています。FERNANDESがパッケージとして販売していますが、ハンダごて本体は安心と信頼のgoot=太洋電機産業のものです。学生時代に技術の授業などで使用された方も多いのではないでしょうか。
はんだ付けにはある程度の慣れが必要になりますが、習うよりも慣れろの精神でどんどんやってみることをおすすめします。自分で配線系のトラブルを解消できるようになったり、ピックアップやポット類などのパーツ交換ができるようになることで、メンテナンスに出すよりも低予算で上げることができるようになります。また、なによりも自分の楽器により愛着を持って接することができるようになるのではないでしょうか。
DIY派の方々には内部配線に使用するハンダにもこだわっていただきたいところです。とってもマニアックな話ですが、音響用ハンダと言えばKESTER44と言うくらい有名なハンダです。
かつてレコーディングスタジオなど、音質を最優先される環境で使用されるケーブルには必ずと言っていいほどKESTER44が指定されて使用されていました。恐らく現在でもほとんどこのKESTER44を使用しているのではないかと思います。
正直なところ、ハンダでそこまで大きくサウンドが変化している実感はあまりないのですが、標準的なものを使っておけば間違いないかな、位の感覚で使用しています。
ちなみに、画像の1ポンド(おおよそ453.5g)のロールは長さにすると75mほどになるそうです。職業柄、ギター以外のケーブルや、機器の内部配線などにも頻繁に使用していますが、減って行っている気が全くしません。何年使用しているかもあやふやになってきました。
各メーカーからメートル単位での切り売り品もあるので、ギターの内部配線に使用する分はそちらを利用するのが賢明かもしれません。
電源ケーブル・電源タップ
『電源ケーブルや電源タップで音が変わるわけがない、そんなものはオカルトだ。』そう思っていた時期が私にもありました。
Mackieの小型ミキサーの電源ケーブルを付属のケーブルとメーター数万円するケーブルで比較テストをして、その結果に驚愕しました。結論から言うと、電源ケーブルや電源タップで音は変わりまくります。
ただ、電源周りのグッズは価格帯的に青天井です。しかも、高ければ必ず良いとも言えないことが多く、なかなか手が出しづらいジャンルでもあります。
個人的には電源のグレードよりも、分電に気を使った方がサウンドへの影響は大きいと思っています。自宅の壁コンセントを子ブレーカー単位で楽器やオーディオ周り専用として使用するだけでも大きな違いが出てきます。
他の家電と同じ電源系統(子ブレーカー)から電源を取っていると、それらの機器による電圧変化の影響を受けて、サウンドにノイズや曇りが現れます。特にDAWを使用して自宅でギター録音をする場合などは、電源ケーブルや電源タップ、電源の取り回しにも気を使ってみるとよいでしょう。確実にサウンドが変わります。
私ごとで恐縮ですが、電源周りのケーブルには可能な限りOYAIDE製品を使用するようにしています。決して安いものではありませんが、癖のない、素直な音色でギター周り、DAW周りに使用するにはベストかな、と感じています。
数ある音楽の『沼』の中でもとりわけ深いのが、この電源『沼』です。ハマってしまうとちょっとやそっとじゃ抜け出せないので、ご利用は計画的に、です。
自宅での練習に便利なグッズ
さて、ここからはスタジオリハーサルの前に自宅で練習をする時や、作曲前のプリプロ段階でフレーズを練る時などに便利なグッズをご紹介していきます。
エレキギターは小音量で練習ができるので、自宅でも環境を整えれば充実した練習が可能な楽器です。
マルチエフェクター
さて、なぜ練習にマルチエフェクターなのでしょうか。
近年のマルチエフェクターにはヘッドホン出力が備わっているものが多いです。日本の住宅事情を考えると、家庭でギターアンプを鳴らせる環境にお住まいの方はほとんどいないと思われます。エレキギターを練習したり、フレーズを練りだす時に生音でペチペチ弾いていては、上達もしないでしょうし、いいフレーズも出てこないのではないでしょうか。
また、画像のGT-1をはじめマルチエフェクターにはAUX入力端子が備わっているものがあります。AUX入力端子にポータブルオーディオプレイヤーなどを接続して、それに合わせて練習をすることで、耳コピやリズムトレーニング、ドラムループに合わせたフレーズ作りなどを効率的に行うことが可能です。
DAWを使用している方は、DAWを起動して、アンプシミュレーターをインサートして、必要なオーディオをインポートして、と多くの行程を踏むのが億劫になってしまい、結局その日はギターに触らなかった。なんてことになりがちです。少なくとも私はそうなります。
マルチエフェクターを用意しておくことで、パッと繋いでパパッと練習が可能になります。
BOSSのGT-1はGT系統の高品位なエフェクトをコンパクトなボディに詰め込んだマルチエフェクターで、サイズを感じさせない各種エフェクトと直感的に操作可能なインターフェースが魅力です。中でも、空間系エフェクトはノリもよく、ラックタイプの単体機に匹敵するクオリティのものもあります。
また、作成したプリセットをそのままスタジオやライブ会場に持っていけるのも大きなメリットです。GT-1にはJC-120の入力用に最適化された出力があり、いつもJCを使用している方には特におすすめできます。
ヘッドホン
練習にマルチエフェクターを使用する際や自宅での音作りの際には、ヘッドホン出力端子に接続するヘッドホンにもこだわりたいところです。
本番と同じギターアンプを鳴らして音作りができれば最高なのですが、限られたスタジオリハーサル、当日のライブリハーサルの時間で細かいところまでサウンドを追い込んで行くのには相当な慣れか、周到なした準備が必要です。
ある程度レンジの広いヘッドホンを使用して音作りをしておくことで、作成したプリセットをギターアンプで鳴らした際にも似たようなレンジで鳴ってくれることが多いです。
慣れてくると、『このヘッドホンでこれだけ鳴ってれば、あのアンプで鳴らした時にこんな感じになるだろう』というのが見えてきます。そうなれば、現場で行うのは微調整のみ、ということになり、セッティング時間の短縮にも繋がってきます。
今回は業界標準ヘッドホンのMDR-CD900STではなく、同じくSONYのMDR-7506をおすすめしています。理由としては、サウンド面よりもケーブル、コネクタの面が大きいです。7506はカールコードで、先端のコネクタが3.5mmステレオコネクタ(ミニステレオ)が付いています。(変換アダプタを使用して6.3mmのステレオ標準コネクタにして使用することも可能です。)
CD900STはステレオ標準コネクタが使用されているため、GT-1などフロアタイプのマルチエフェクターに多く見られるミニステレオ端子と接続するのに別途変換アダプタが必要になります。ステレオ標準→ステレオミニの変換アダプタはアダプタ本体とステレオ標準コネクタの重さが3.5mmのステレオミニコネクタと出力端子に集中するため、パーツに負荷がかかり接触不良などのトラブルが起こりやすくなります。
7506は、スタジオ標準木として海外での評価が特に高いヘッドホンでサウンドも素晴らしく、専用の軽量なねじ込み式アダプタを使用することでステレオミニ、ステレオ標準どちらの端子にも対応可能な点が大変おすすめです。
リズムマシン
DB-90はBOSSのドクタービートシリーズのリズムマシンです。マルチエフェクターに接続して使用することも可能でリズム練習やフレーズ構築の際などに便利です。単純なメトロノーム音だけでなく、様々なジャンルのリズムトラックを任意のテンポで再生することが可能で、セッション感覚で楽しみながら練習できます。
ギター初心者がぶつかる壁の中でも最大級なのが、レコーディングです。レコーディングではドラムを先に録音したりする場合が多いですが、イントロや落ちサビなど、ドラムがリズムを刻んでいないパートのレコーディングではクリック音が頼りです。
また、ドラムとベースがシンプルな8ビートでもギターのカッティングは16分音符が主体だったり、ところどころ3連符が入ってくる場合もよくあります。そんな時に肝心のギターがヨレヨレでは楽曲のノリは出てきません。
日頃からリズムを鍛えておくことで、こうした壁を乗り越えることもできて、プレイの幅も広がります。
3行でまとめると
- ギタースタンドで手軽に触れる場所に!
- 工具を揃えてDIY!
- 練習にも役立つマルチエフェクター!
最後に
今回はギター周りの便利グッズ、家に置いておきたい&練習に役立つ編でした。
複数のギターを使い分けていて、自宅の居間にギターケースを並べている方は複数がけのギタースタンドをぜひ導入してみてください。家が広くなりますよ。
また、マルチエフェクターを使った練習は特に初心者の方におすすめです。楽曲コピーの際に、原曲と音色が全く違うとせっかくフレーズを弾けるようになっても達成感がないものです。音色を近づけることで、達成感と、エフェクターの基本的な使用方法の両方の経験値が稼げるので、上達の近道にもなります。
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