プラグインを使用したMIXと、実際にコンソールやアウトボードを使用したMIXの大きな違いは、画面内に表示されたツマミをトラックボールやマウス、トラックパッドなどで操作するか、物理的にツマミを回して操作するか、という点です。
実際のコンソールやアウトボードを使用したMIXでは、コンソールのツマミを使用してパラメーターを操作するため、直感的な操作が可能な上に、2つ以上のパラメーターを同時に操作可能で作業速度が早いです。
しかし、レコーディング用のコンソールや、DAWで使用するチャンネル分のアウトボードを揃えることは、空間的にも予算的にも現実的ではありません。
今回ご紹介するSoftube Console 1は、プラグインと専用コントローラーがセットになっているもので、プラグイン画面上の配置とコントローラー上でのツマミの配置が一致するため、かなり直感的な操作が可能です。
目次
Softubeとは
Softubeとは、スウェーデンのストックホルムに本拠を置くブランドで、アナログ機器の正確なモデリングに定評があります。2003年設立と比較的歴史の浅いブランドですが、その高度なモデリング技術により、業界内での地位を不動のものとしています。
また、他社との共同開発プラグインも多く、Native Instruments社やUniversal Audio社のモデリングプラグインなどの開発にも携わっています。
日本国内での販売代理店はMI7 Japanです。
Console 1とは
先にも簡単に述べましたが、Console1は基本的には一般的なチャンネルストリッププラグインです。コントローラーにDSPが積まれている訳ではなく、PC内部のCPU上で処理を行う、いわゆるNativeプラグインです。
対応プラグインフォーマットは、VST2/VST3/AU/AAXとなっており、主要なDAWで使用することが可能です。
使用するDAWによってはトラック選択が連動したり、センドの調整、ボリュームやパン、Solo/MuteなどDAW本体側の操作もできたりと追加機能がある場合もあります。この記事の執筆現在(2018/10)、上記機能はStudio OneとSonarのみで追加されています。
Console1プラグインは、Solid State Logicの名機SL4000Eのチャンネルをモデリングしているチャンネルストリッププラグインとなっており、Softubeならではのモデリング精度の高さでサウンド面でもしっかりとSSLサウンドを出してくれます。
また、コンピューターとの接続はUSBケーブル一本で行います。コントローラーのLED部分も含めてUSBのバスパワーで駆動するため、電源ケーブルを引回す必要もなく、省スペースな点も助かります。
Console 1の使用方法
ここからは、Console 1の使用方法について、使用感を添えてご紹介していきます。
と言っても、複雑なことはなにもなく、通常のチャンネルストリッププラグインと同様に使用トラックにインサートして行きます。
今回のデモセッションでは、全てのインプットトラックにConsole 1をインサートしてみました。
↑の画像では大分見辛いですが、20トラック(7ステレオ/13モノラル)にインサートしています。
通常のプラグインでは、プラグインインサートスロットをクリックして、プラグインウィンドウを立ち上げ、立ち上がったウィンドウ内で操作をして行くのですが、Console 1では、ここから先はコントローラーで操作していきます。
こちらは上から見たConsole 1コントローラーです。前出のプラグイン画面と見比べると、ツマミの配置が同一になっていることに気付くのではないでしょうか。
なお、コントローラーとプラグインは双方向にツマミの位置を同期しているので、コントローラー側のツマミはクリックや止まる位置が存在せず、無限に回転し続けます。
ひと昔前のMIDIコントローラーにありがちな、トラックを切り替えるたびに元の位置にツマミを戻さないとならない、と言ったことがありません。また、ハードウェアのバージョン2からは、ツマミの周りにリング状にLEDが埋まっていて、現在のツマミ位置を表示してくれます。
あとは、コントローラーを使用して各プラグインのパラメーターを操作して行く、というフローになります。
選択チャンネルの切り替えや、ShapeやEQなど各モジュールのON/OFF、Console 1ウィンドウの表示/非表示など基本的なことは全てコントローラーで行うことが可能です。MIDIコントローラーのように割り当てなどが必要なく、インサートさえすればすぐに使用出来るところも作業効率の面で優れています。
Console 1各部の機能
さて、Console 1について、ざっくりと説明してきましたが、ここでは実際に何が出来るのかについて、各部の機能と合わせてご紹介していきます。
Bridge
コントローラー上部にはボタンがたくさん並んでいます。
左端には、DISPLAYのON/OFF切り替えとDISPLAY MODEを設定するキーがあります。
Console 1は通常のプラグインとは異なり、DAWのプラグインウィンドウからではなく、専用のオーバーレイウィンドウを立ち上げて使用します。
一番左のDISPLAY OnボタンではオーバーレイウィンドウのON/OFFを、DISPLAY Modeボタンでは表示モードを切り替えることができます。
また、後述のShiftキーと組み合わせることで、DISPLAY AUTO ON設定にすることができます。AUTO ONでは、コントローラーを操作し始めるとディスプレイがポップアップし、操作を終えると自動的に閉じる動作になります。設定で無操作でディスプレイがOFFになるまでの時間を決めることができます。
前出の画像は基本的なDISPLAY Modeですが、他にもFFT無し、ツマミ表示、メーターブリッジ部のみの表示などに切り替えることが可能です。
個人的には、いまのところ、メーターブリッジ表示に特別な意味は感じておらず、FFT付きの全表示モードのみで使用しています。
中央付近のボタン群は1〜20までのトラック選択ボタンと、20トラック単位でのページ切り替えボタンです。PAGE+/-キーを使用することで、1〜20、21〜40、41〜60…とコントローラーで選択可能なトラックが切り替わっていきます。
後述のShiftキーを押しながらSELECT TRACKの5を押すことで、HISTORY機能を使用することが可能です。HISTORY機能とは、一般的なアンドゥ・リドゥ機能で、以前の状態に復元するために使用可能な機能です。
また、SELECT TRACKの1〜4ボタンにはShiftキーと組み合わせることでモジュールの読み込み機能が、20ボタンには設定メニューが割り当てられています。これについては後述します。
SELECT TRACKボタンの右側にはTRACK GroupとTRACK Copyキーが並んでいます。これらを使用することで、複数のトラックをまとめて操作したり、トラックの設定を他のトラックにコピー&ペーストすることが可能です。
Bridge部の右端にはチャンネルストリッププラグインには欠かせないモジュールの接続順変更ボタンと、外部サイドチェーン入力をコントロールするセクションが備わっています。
接続順はShape(Gate)→EQ→COMP、Shape(Gate)→COMP→EQ、EQ→Shape(Gate)→COMPの3パターンから選択可能です。サイドチェーンはTo Shape、To CompとOFFから選択することができます。
INPUT
コントローラー左端のINPUTセクションです。画像右側はプラグイン画面上のINPUTセクションになっています。本来はプラグインのインプットモジュールには上部にメーターがあるのですが、操作子にフォーカスしております。
INPUTには、プラグインへの入力レベルを表示するインプットメーター、入力レベルを調整するInput Gainに加えて、LPF/HPFが備わっています。このフィルターの効きがとても気持ちよく、ローエンド・ハイエンドの処理を楽に行えます。
フィルターセクション下にはフィルターをコンプレッサーモジュールへのサイドチェーンに使用する切り替えスイッチと、位相反転スイッチがプリセットのロードスイッチが備わっています。
一番左下(左手前)にはShiftキーがあり、このキーを押しながら操作することで、コントローラーのオレンジ色の印字(実機では黄色に近いですが)の機能を使用することができます。また、押しながら回すことでツマミ類は細かく調整可能なモードになります。
モジュールの読み込みや表示設定の変更、プリセットの保存、バイパスなど、非常によく使うボタンになります。
SHAPE
続いてはSHAPEモジュールです。SL4000EでのExpandモジュールに当たります。Console 1のSL4000Eでは実機に搭載されていないトランジェントシェイパーが組み合わされています。
Gate自体のコントロールはThresholdを設定するGate、Thresholdを下回った際にゲートが再び閉じるまでの時間を設定するGATE RELEASE、ゲートの効き具合を設定するHard Gateのみです。RANGEやアタックタイムが設定出来ず、Gateが閉じている間のレベルや開き際の挙動を細かく設定することは出来ません。
Console 1の独自機能であるShaperでは、入力音の立ち上がりの部分(PUNCH)と余韻の部分(SUSTAIN)に切り分けて、それぞれの音量を調整するPUNCH、SUSTAINコントロールが備わっています。
SPL Transient DesignerやNative Instruments Transient Masterなどに代表されるトランジェント系のプラグインは単体で使用することが多く、チャンネルストリップに組み合わさっていることはなかったのですが、Console 1ではShapeモジュールに統合されているため、打楽器系のトランジェントを調整するのに非常に便利です。
また、ShapeモジュールでのGain変動をコントローラーのメーターでも表示してくれますが、真上から覗き込むように配置しないと、Gate Releaseツマミが干渉して読めません。お茶目ですね。
EQUALIZER
EQモジュールは見てわかる通りに一般的なEQとなっています。やはり、特筆すべきは画面内の配置と、コントローラーの配置が共通で直感的に操作が可能な点でしょう。また、サウンド面でもさすがのSoftubeと言ったところです。広めのQでのカット、Qを狭めてのブーストなど無理なくこなしてくれます。
こちらはSL4000E実機に加えてLOW/HIGHバンドがCut(HPF/LPF)に切り替えられる部分のみの違いになっています。Cutを使用するタイミングとしては、INPUTのフィルターをコンプへのサイドチェーンで使用した場合、などでしょうか。
また、EQモジュールにはアナライザーが備わっていて、周波数帯域ごとにグラフ化して表示されます。このグラフを参照することで、視覚的にもEQポイントを探ることが可能になっているのが特徴です。
なお、このグラフは後述の設定で入力と出力のモニタリングや解像度、グラフが落ちる速度を切り替えることが可能です。
COMPRESSOR
コンプレッサーモジュールでは、実機の機能に加えて、Attack、Parallelの2項目がコントロール可能です。
SL4000EではAttackは早いか遅いかの2パターンにしか設定できませんでしたが、Console 1では連続可変でms単位で数値化された情報を見ることが出来ます。
また、単一のチャンネルストリッププラグインでは珍しく、パラレルコンプに対応しています。Parallelツマミが反時計回り絞り切り(と言っても回り続けますが)の時には100%Wet、つまりコンプレッサーを経由したサウンドのみが出力されますが、時計回りに回して行くことで、コンプレッサーを通過していないサウンドが混ざって行きます。
コンプでパッツパツに潰したサウンドを元のサウンドに足して行くようなときに、トラックを増やさずに処理出来るのがよいですね。
また、一応コントローラーにもリダクションメーターが付いていますが、こちらもShape同様Attackノブの位置もあり、真上から覗き込まないと読めません。ディスプレイを見た方が早いことが多いです。
OUTPUT
最後はOUTPUTセクションです。INPUT同様、プラグイン側の画面には上部にメーターがあります。
操作は、最終的な出力レベルを設定するVolume、アナログ回路独特の歪み感、サチュレーションを加えるDrive、歪みの質を調整するCharater、Studio One、Sonarで有効なPANコントロールが備わっています。
このセクションでは、DRIVEでコントロール出来るアナログ回路の歪み感が素晴らしく、各トラックにインサートしたConsole 1のDRIVEを適宜調整するだけで、トラックに一体感が出てきます。
下手にEQで調整するよりも、このDRIVEとCHARACTERで歪みの質を使い分けることで、よりナチュラルに混ざっていくのが感じられます。
CHARACTERコントロールの基準値は0で、この状態ではSL4000Eそのものの歪みを付加する状態なのですが、CHARACTERの調整で低中寄り、中高域よりと歪みの質を調整することができます。
ベーストラックにはローミッドの主張を強く、ストリングストラックには高域の抜け感を出す。など、同じコンソールのキャラクターの中でもバリエーション豊かな歪みを使用することが出来ます。
Softubeの公式には、Driveが5.0の時には0dB〜、10.0の時には-24dBから歪むとのことですが、それ以下のレベルでも歪みが付加されているように感じられます。
また、VolumeコントロールはConsole 1プラグインの最終段に備わっています。完全なデジタルベースで考えれば、INPUTを+10、OUTPUTを-10とすれば、ダイナミクス系のスレッショルド以外、最終的には何も変化がないことになってしまいますが、Console 1ではDriveの振る舞いが大きく変わります。
個人的には派手さが欲しい場合にはDriveを3~5付近で使用しつつ、INPUTを3dB程度上げて使用するのが好みです。当然その分Volumeは下げて使用します。
Console 1の設定
Shiftボタンを押しながらSELECT TRACKの20を押すと、Console 1のセッティングに入ることができます。
このセッティングでは、Console 1上でのトラック順の変更や、ツマミの感度、パラメーターの変化速度の設定、アナライザの設定などを行うことが可能です。
後からトラックが追加になったり、トラックの差し替えなどで、DAW上のトラック順とConsole 1上のトラック順に食い違いが生じた際に並びを変更したり、ツマミを少し触っただけなのに、パラメーターが大きく変わってしまうと感じる場合など、これらの設定を行うことで問題を解決することができます。
Console 1の拡張性
Shiftキーを押しながらSELECT TRACKの1を押すことで、Console 1に対応した他のチャンネルストリッププラグインを読み込むことが可能です。
現在(2018/10)、Softube社から標準のSL4000Eストリップ以外に以下の4種類のチャンネルストリップがリリースされています。
- SSL XL 9000K-Series Console
SSLオフィシャルライセンスの9000Kのモデリング - Summit Audio Grand Channel Console
真空管コンプ、EQを使用したアウトボードをコンソール化したストリップ - British Class A Console
非公式ではあるものの、Neveコンソールのモデリング - American Class A
こちらも非公式ながらAPIコンソールのモデリング
Console 1一台で様々なコンソールのキャラクターを使用可能になっています。しかも、操作は共通なので、応用が効くというのもよいですね。
British Class AとAmerican Class Aについては下記記事で紹介しています。併せてご参照ください。
また、Shift+2でShapeセクション、Shift+3でEQセクション、Shift+4でCOMPセクションを個別に読み込むことが出来ます。
基本のサウンドはSL4000Eを使用して、コンプレッサーに1176を挿したいといった場合や、EQにはAPIのカーブが最適だ、と言った場合などに効果的です。
各モジュールに読み込めるプラグインには、Softube製の対応プラグインに加えて、Universal AudioのUAD-2プラグインもラインナップされています。
さらっと、言いましたが、Softubeからみて他社、Universal Audioのプラグインを読み込むことが出来ます。当然、UAD-2 Satelliteなどの外部DSPに加えて、UAD-2のライセンスは必要ですが、UAD-2プラグインをConsole 1上で使用可能となっています。
Console 1の負荷
さて、これだけ高品位で使い勝手の良いプラグイン、アナログ歪みのモデリングも高精度、となると、心配になるのはCPU負荷ではないでしょうか?
私も導入前に一番気になっていたのはCPU負荷でした。
一般的なチャンネルストリッププラグインは、デジタルのEQなどよりかは高負荷のものが多く、トラック数が多くなると動作に不安があったりします。
こちらがデモセッションのCPUメーターです。マシンスペック、DAW設定は以下の通り。
- CPU:2.8GHz i7 Quad
- メモリ:16GB 1600 MHz DDR3
- DAW:ProTools12
- バッファサイズ:1024
- ダイナミックプラグインプロセッシング:ON
ちなみに、UADに関しては、apollo8p(4コア)+Satellite(8コア)の計12コアです。
DAW上のアクティブなトラック数は以下です。
- オーディオ20トラック(7ステレオ/13モノラル)
- AUX9トラック(4エフェクトセンド、5MIXバス)
Console 1(7ステレオ/13モノラル)以外のCPUベースのネイティブプラグインはこんな感じです。
- Sonnox Oxford EQ+Filter × 18
- Sonnox Oxford Reverb × 2
- Sonnox Oxford SuprEsser LL × 1
- McDSP FB101 × 5
- Waves Center × 1
- Waves C4 × 2
- Waves L3LL × 1
Console 1のCOMPモジュールやEQモジュールには部分的にUAD-2のLN1176やAPI Visionを使用しているため、全部をConsole 1のモジュールで賄うともう少しCPU負荷は重くなるかな、と言った印象です。
また、Shapeモジュールはトラックによっては未使用です。あくまでも実践的なデータを採りたかったのでご容赦を。
実際、このデモセッションは歌録り前のオケMIXなのですが、ボーカル・コーラストラック無しでこの負荷をどう捉えるか、というところですね。DAWの動作的にはそんなに負荷がかかっている印象はないのですが、CPUメーターを見ると結構行ってます。
CPUメーターを振らせている一番の要因は、数を挿してる上に高負荷なリバーブをNativeで使用しているSonnoxプラグインであることは間違いないのですが、個人的にSonnoxを外す選択肢がないので、ここは固定で考えています。
経験上、再生中にCPUメーターが常時50パーセントになると、目に見えて再生エラーが出始めるので、私の環境・やり口で考えると、これが32〜40トラックとかだと危ないかも知れません。
使用するトラックを限定する使用方法だと、統合型チャンネルストリップのいいところを活かしきれないのも悩みどころですね。
とは言ってみたものの、他社製のチャンネルストリッププラグインのCPU負荷を考えると、Console 1は特別重い訳ではなく、むしろ個別にGate、EQ、COMP、アナログ歪みエミュレーターとインサートすることを考えれば、比較的軽負荷な部類に入ると思います。
これが重く感じてしまうのも、対抗馬のWavesが軽すぎるんです。
いろんな人にオススメな理由
さて、ここまでConsole 1の特徴や、簡単な使用方法などをご紹介してきましたが、Console 1は『買い』なのか、オススメなのか、という点について考えていきます。
まず、『買い』なのか、という点ですが、個人的には『即、買い』です。
ここまで触れて来ませんでしたが、現行(2018/10)のConsole 1はハードウェアが第2世代になっています。付属のソフトが変わらず、ハードウェアが使い安くなったタイミングで、第1世代よりも価格が半額近くまで落ちています。
それに加えて、前述の拡張性の項でも触れましたが、今後、SoftubeからConsole 1対応のプラグインが増えて行くことで、使用可能なプラグインも同時に増えて行くことが予想されます。
では、どういった方にオススメかという点について、個人的には『DAWのユーザー全員』と言いたいところですが、もう少し熟慮します。
まず、すでにSoftubeユーザーの方には非常にオススメできます。単体プラグインの多くをUNITとしてConsole 1のモジュール化出来るので、いちいちプラグインを差し替えながら作業する必要がなくなる点が大きいです。
次に、UAD-2ユーザーの方にもオススメです。理由はSoftubeユーザーの方同様に、UAD-2プラグインをモジュール化出来る点と、CPUベースの高品位なプラグインと併用することで、DSPとCPUで負荷の分散が出来るため、より効率的にリソースを使用可能な点が挙げられます。
また、Studio Oneユーザー、Sonarユーザーの方にもオススメできます。Panやボリュームなどのコントロールは現状上記2種のDAWでしか使用できません。高品位なチャンネルストリッププラグインに加えて、限定的ではあるものの、コントロールサーフェスも合わせて入手可能な点がオススメポイントです。
最後に、今までアナログモデリングプラグインをあまり使用して来なかったDAWユーザーの方に非常にオススメです。
使用されている方も多いWaves GoldにもNeveモデリングのV-EQやV-COMPがバンドルされているので、DAW初心者の方でも触る機会は多いかと思いますが、Waves社のモデリングは一般的に癖が強くデフォルメされているため、多くのトラックに使用すると、いわゆるWavesの音になってしまうことが多いです(決して悪いことではないのですが)。
Console 1の4000Eモデリングは一見派手さはないですが、MIXの中で主張しすぎず、INPUT/OUTPUTでのレベリングとHPF/LPF、Driveをコントロールすることで、EQを使用する前にサウンドの方向性を決定づけることが可能です。
また、録音段階でもそうですが、モデリングを含むアナログ回路でオーディオ信号を扱う時に、最も大切なことは『各段への入力レベル』です。GainとFaderで回路内を流れる電圧をコントロールするのと同じイメージです。
高品位なアナログモデリングプラグインであるConsole 1を使用することで、自然とアナログ回路の使用方法について理解を深めることも出来、他のプラグインや録音においても活かすことが出来るようになります。
SOFTUBE / Console 1 Mk II
3行でまとめると
- 専用コントローラーでスイスイ操作!
- サウンド面も文句なし!
- モジュール組み替え可能、UADも使える!
最後に
長くなってしまいましたが、今回はSoftube Console 1についてご紹介してきました。
論の展開的に、最後になって負荷が〜というような順番になってしまいましたが、特段重い訳ではないことを重ねてお伝えしておきます。
長時間のMIX作業でずっとトラックパッドを使用していると、指の表面の皮膚を持って行かれたりして悲惨なことになるのですが、外部コントローラーを使用することで大分楽になっています。
コントローラーの奥行きが控えめなので、Macの手前に置いたり、横に置いたりと配置にもストレスが少ないのがよいですね。USBの口が側面にあればよりよかったかな、とも思うのですが、環境によるので難しいところです。
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