私はUniversal Audio製のオーディオインターフェースを使用していて、レコーディングでもMIXでもUAD-2プラグインを多用しています。
Universal Audioの公式Webサイトでもアップデートは頻繁にアナウンスされていて、バグフィックスや安定性の向上、新規プラグインの追加など最新版には多くの魅力があります。
しかし、現在進行中のプロジェクトがあるタイミングではアップデートを行うことができず、また、新規に追加されるプラグインの導入予定もなかったため、かなり長期間アップデートをせずに使用していました。先日ちょうど作業の切れ目を見つけてMac OSやProTools共々アップデートを行ったので、その方法について書いていきます(主に未来の自分のため)。
目次
アップデートを行う前にすること
忘れがちなことですが、現在のバージョンからアップデート予定のバージョンまでの間のリリースノートに目を通します。Universal Audioの場合は画像の赤枠内、Release Notesから確認可能です。
OSやDAWも同時にアップデートを行う場合には確実に互換性をチェックするようにしましょう。また、他社製のプラグインを使用している場合にはそちらもOS、DAWとの互換情報も確認し、使用する全てのプラグインが条件を満たすことを確認しましょう。
この作業を怠ると、せっかくアップデートを行ってもプラグインが動かなかったり、最悪DAWそのものが動作しなくなる場合があります。また互換性のないプラグインがある状態のセッションは復元することが不可能になる点にも注意が必要です。
各社のホームページなどで必要な情報を集めたら、使用しているPC/Macのバックアップを行います。ここでバックアップを取っておくことでDAWが走らないなどの重大なトラブルを防ぐことが可能です。MacだとTime Machineがあるので楽チンですね。
以上がアップデート前に行っておくべき内容です。
アップデート方法
では、ここからはアップデート方法について見ていきます。
まずは、UAD Meter & Control Panelを起動して、左端の[UAD-2]ボタンをクリックします。
立ち上がったUAD Control Panelウィンドウから[System Info]タブを選択し、[Update Available]をクリックします。
するとこんなポップアップが立ち上がってきます。「君の使ってるよりも新しいUADソフトウェアが入手可能だけど、今すぐUADソフトウェアのダウンロードページに行くかい?」って書いてあります。
[Yes]をクリックするとUniversal Audioのホームページ内、既定のブラウザでDownloadページが開きます。右が[Yes]なのが新鮮ですね。
開いたページから使用しているOS用のダウンロードをクリックするとダウンロードが始まります。
完了しました。
ZIPを解凍しました。当たり前ですが中身にはインストーラーが入っています。
このインストーラーを起動します。
当然のように警告されます。Universal Audioを信頼しているので続けます。
インストーラーが起動したら注意書きを読みます。
「このアプリケーションはUniversal Audio製オーディオ製品用のUADパワードプラグインのv9.11.1をインストールするよ。もし君がUAのオーディオインターフェースを持ってないなら、Installation Type画面で”UA Audio Interface Software”のチェックを外してね。あっ、あとこれは大事なことなんだけど、MacOS 10.14 Mojave以降のMacで使えるようにするためにはOSの”System Events”ダイヤログがインストール中に出てくるけど全部OKを選択してね。もっと詳細に知りたいならこのリンク先のページを見てね。」と言うようなことが書いてあります。
[続ける]連打の方が後を立たないですが、NoteとかImportantの欄は確実に読むようにしましょう。英語読めなくてもネット翻訳などを使いましょう。必ずです。使用できなくなる可能性があります。
インストール先などを選択して、標準インストールを行います。
自動的にファームウェアもアップデートされます。
終わります。
「UAD機器の電源を切りなさい。ファームウェアアップデートを完了するために外部のUAD機器の電源を数秒間切りなさい。再び電源を投入したらその機器は使えるようになっています。」
と予言されているので、仰せのままにします。
終わります。促されるままに再起動を行います。
SOFTWAREの欄をみるとしっかりとバージョンアップされていることが確認できます。
しばらく見ない内にVirtualトラックの数とDSPパワーのバランスが取れたり、トラックネームがSESSIONSに追従するようになってたりConsoleの機能も追加されていました。
新DAWのLUNA
また、今回のソフトウェアよりLUNAという名前のDAWが無償でダウンロード出来るようになりました。初回起動時にiLokアカウントにライセンスが付与されます。LUNAではUADプラグインはもちろん、AUプラグインも使用可能でした。
ちょっと触った感じではConsoleにレコーダー機能が搭載されている感じです。MIXERビューからはApolloのマイクプリにもアクセス出来るので、レコーディング時にはConsoleと行ったり来たりせずに作業ができそうです。現在使用中のDAWから乗り換える動機としてはちょっと弱いかな、と思いますが、新規にDAW環境を構築する場合には選択肢になるのではないでしょうか?
UNIVERSAL AUDIO / ARROW
気になったのはレイテンシーフリーのモニタリングをしながらレコーディングをすることが可能と言う点で、スタジオでのドラム録音の際などに役立ちそうな予感がしています。レコーディング→テイクコンピング→一本化したWavで出力までスムーズに出来れば使い所がありそうな気がします。
試用してみて動作が安定していて、上手く使えそうなら実戦投入も視野に入れていきたいと思ってます。ちょっと触っただけの現時点では不慣れな部分もあり使いづらかったですが、リリース直後と言うこともあり今後に期待です。
3行でまとめると
- 事前にしっかりバックアップを!
- 注意書きはしっかり読む!
- LUNAに感じる可能性!
最後に
今回はUniversal Audioのソフトウェアとオーディオインターフェースのアップデート方法についてご紹介してきました。偶然LUNAのリリース時期にアップデートを行ったので、LUNAについてもちょこちょこ弄って行こうと思います。
冒頭で述べたとおり、アップデート前には必ず動作環境の確認とバックアップを取るようにしましょう。DAWやプラグインは意外と(?)繊細なので、相性により起動が出来なくなったり、使用できなくなったりすることがあります。
また、現在取り掛かっているMIXやレコーディング、アレンジなどの作業があるうちはアップデートを行わないことをオススメします。特にOSのアップデートは全ての環境に影響を与えてしまうので、最悪クリーンインストールが必要になる可能性もあります。
私はDAW関係のアップデートには慎重に慎重を重ねるのですが、アップデートは緊張の連続です。実際今回も同時にアップデートしたProToolsとiLok License Managerの影響かiLokのライセンス認証が上手く行かなくなり、一回ライセンスをクラウドに避難させてから戻したり、と苦労をしました。まぁ、バックアップがあるとは言え、生きた心地がしませんでした。
みなさんも細心の注意で慎重にアップデートを行うようにしてください。
蛇足ですが、今回のOS/DAW/プラグインの一斉アップデートの際にMicrosoft Officeの動作環境確認が抜けていました。案の定起動できず泣く泣く最新版のOfficeに買い換えるハメになりました。いまだに2011年版を使っていたので、コレをいい機会だと自分に言い聞かせています。
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